大東建託グループのキマルームが、賃貸不動産取引向けの電子契約サービス「キマルーム Sign」の販売を開始した。物件公開、入居申込、入居審査、付帯申請、IT重説、電子契約といった機能を搭載している。
大東建託は2024年10月15日、グループ企業のキマルームがリニューアルした電子契約のサービス「キマルーム Sign(サイン)」の販売を不動産会社向けに開始した。
キマルーム Signは賃貸取引に特化し、電子化した申し込みと契約が可能になる。主な機能は、物件公開、入居申し込み、入居審査、付帯申請、IT重説、電子契約を備える。
部屋を借りる方、オーナー、仲介会社、管理会社など多くの関係者が関わる賃貸取引の申し込み/契約で、現在の対応状況など、次のアクションが初見でも直感で分かるナビゲーション機能や同一画面で関係者とチャットができる機能を搭載している。
部屋を借りる方の場合はユーザー登録が不要で、店頭ではQRコードの読み取り、遠隔ではSMSやメール経由で申し込み手続きができる。
初期費用は0円からで月額利用料は5000円から。1契約当たりの従量課金が190円となっている(全て税別)。他社の基幹システムや家賃保証サービス、付帯サービス、少額短期保険とも連携できる(別途開発費や保守費が必要となる場合あり)。
不動産取引の電子契約は、2022年5月の改正宅地建物取引業法で利用が可能になったものの、現在まで電子契約の普及が十分とは言い難い状況にある。
賃貸借契約の場合、1.重要事項説明(同法35条)にかかわる署名、交付手続きと契約書面(同法37条)にかかわる署名手続きなど、書面単位での課金体系の煩雑さ、2.法人契約の場合は契約フローが個人契約より複雑であること、3.取引ごとに変わる仲介業者/管理業者が異なる電子署名ソフトを利用するため操作に慣れにくいなどの理由から普及が進まないと推察されている。
そこで大東建託パートナーズとキマルームは、複数書面の1従量課金化やユーザーインタフェースの工夫、法人契約フローの使いやすさ向上など、利用者の利便性を踏まえた電子申し込み、契約システムを開発し、2024年7月から大東建託グループで先行導入。電子契約率が前年から倍増して78.8%に向上したという。
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