三菱地所と三菱地所ハウスネットは、ChatGPTを活用した「住まいのAI査定サービス」の試験運用を開始した。住まいの資産価値がワンクリックで分かり、営業担当者と会話しているような感覚で不動産に関する双方向コミュニケーションが実現する。
三菱地所と三菱地所ハウスネットは、三菱地所グループの住宅系会員組織「三菱地所のレジデンスクラブ」で一部の会員を対象に、ChatGPTを活用した「住まいのAI査定サービス(β版)」の試験運用を2024年2月20日に開始した。
住まいのAI査定サービスでは、住まいの価格査定に加え、所在エリアのマーケット状況、類似物件の売出事例なども分かる。将来は、対象会員を広げる他、会員以外も利用するサービス展開を検討している。
住まいのAI査定サービスは、生成AIにさまざまな内容を学習させることで、マンションなどの不動産査定金額の提示をはじめ、その他にも顧客の役立ち情報を提供するなど、「まるで営業担当者と話している」ようなコミュニケーションが実現する。
これまでユーザーは自身の不動産査定の際、不動産会社へ査定依頼をしていたが、住まいのAI査定サービスでは、売却を検討していない段階や検討初期の情報収集段階でも、資産価値がワンクリックで表示される。また、査定内容を確認した後、追加情報が知りたい場合は主体的に収集しなければならなかったが、査定内容を見て気になった所在エリアのマーケット状況や類似物件の売出事例なども、ChatGPTに質問すれば、回答が返ってくる。
サービスの開発には、AI分野に優れた知見を有し、スイスを拠点とする不動産テック企業PriceHubbleの日本法人プライスハブルジャパンから技術支援を受けた。プライスハブルジャパンとは、2020年から不動産×AIに関する研究を共同で進め、2023年9月には住まいの購入検討者向けサービス「KAUnSELL(カウンセル)」を実用化した。
KAUnSELLは、三菱地所と三菱地所ハウスネットが提供するエリア提案型の物件検索サービス。ライフスタイルに関する質問に答えることで、「おすすめエリア」を提案する。気になるエリアをフォロー(お気に入り登録)することで、そのエリアに関するさまざまな最新情報をSNSのように受動的に入手。さらに、Webサイトに散在している住まい探しでニーズのある情報(災害リスク情報、学区情報、相場情報など)も表示される。
KAUnSELLは今後、購入検討者だけでなく、売却検討者に向けたサービス展開も検討しており、今回のChatGPTを活用したAI査定サービスは、KAUnSELLのサービス拡充への足掛かりにもなっているという。
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