大成建設と大日本塗料は、日本大学の指導/評価を得て、塗るだけで建物自体を断熱化できる水性塗料「ZERO−eコート」を開発した。
大成建設は2025年8月7日、大日本塗料と共同で、塗るだけで建物自体を断熱化できる水性塗料「ZERO−eコート」を開発したと発表した。一般塗料や遮熱塗料と併用可能な中塗り用塗料で、高耐候性が求められる外装仕上げ面にも適用できる。新築/既存建物を問わず使用でき、建物内部への熱影響を抑え、エネルギー消費量の低減に貢献する。
ZERO−eコートは、日本大学 生産工学部建築工学科 教授 永井香織氏の指導/評価を得て開発した。塗料には、軽量でありながら高い圧縮強度と断熱性能を兼ね備える「中空ガラスビーズ」を採用している。従来は中空ガラスビーズを多量配合すると、塗料の安定性や耐候性が低下するという課題があったが、大日本塗料の独自技術を活用し、中空ガラスビーズと類似した組成を持つ樹脂を用いて塗膜内を高密充填化する技術を確立。断熱性と耐候性を両立した。
塗料は不燃素材の併用と有機質成分を抑えた配合調整により、不燃性能も有している。今後、建築基準法に基づく国土交通大臣の不燃認定を取得する予定だ。
施工面では、ローラーやコテ、吹き付けなど既存の塗装器具で対応可能で特別な器具を準備する必要がない。外壁塗装材として使用できるため、建物が供用中でも施工可能で、利用者への影響を最小限に抑えながら断熱改修が行える。
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