フォトラクションは、AIとBIMを活用した施工バックオフィス支援クラウド「aoz cloud」の提供を開始した。
建設業向けの生産性向上サービス「Photoruction(フォトラクション)」を開発/運営するフォトラクションは2024年10月23日、施工バックオフィス支援クラウド「aoz cloud(アオズクラウド)」の提供を開始したと発表した。
フォトラクションの言う施工バックオフィスとは、施工管理など工事の直接的な業務を行わず、書類作成やデータ整理などで現場を遠隔からサポートする業務全般を指す。aoz cloudは、フォトラクションがこれまで建設BPOの提供で培った技術とオペレーションのノウハウをサービス化したプロジェクトで、業務効率化のためのアプリケーションを、特定の目的に特化した機能をモジュール化して柔軟に利用できるようにした。現在、Windowsアプリ「aoz BIM配筋検査」とSaaS形式の「aoz AI検査シート」を提供している。
フォトラクションはaoz cloudの提供を通じて、施工バックオフィス業務のプロセス改善を図るとともに、建設プロジェクト全体の生産性向上を目指す。
aoz BIM配筋検査は、BIMから配筋検査に必要な情報を抽出して断面リストや電子黒板、検査項目と、図面に検査項目が設置された検査シート(野帳)を生成し、配筋検査の準備業務を効率化する。ジオメトリ情報から分析ができるシステムとして特許出願済み。アプリ単体で利用できる。
また、aoz AI検査シートは、PDFファイルをもとに、配筋リストの自動切り取りや電子黒板の作成の他、図面から符号を読み取り、検査箇所の自動配置などを組み合わせて検査シートを生成する。配筋や杭、鉄骨の検査シートを作成可能で、検査の準備を大幅に効率化する。現在はPhotoructionの建設BPOサービスを通じて提供しており、今後、単体での提供も予定している。
aoz cloudは2018年に、図面分析のクラウド型AIエンジンとして開発された。設計・施工の際に使用される2D図面を画像データとして認識し、図面上の情報を自動的に読み取って解釈できる。βテストにはゼネコンをはじめとする建設業や関連企業が参加し、日本建設情報総合センターの研究助成にも採択されるなど、技術面でも高い評価を受けたという。2022年以降は社内で建設BPOサービス向けに活用してきたが、施工バックオフィス業務を組織化する建設業者の増加によりサービス提供へのニーズが高まったことから、今回のリリースに至った。
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