2024年度上半期の「人手不足倒産」は163件となり、2年連続で同期間の過去最多を更新した。建設業は55件、物流業は19件で、両業種合わせて全体の45.4%と半数近くを占めた。
帝国データバンクは2024年10月4日、従業員の退職や採用難などが要因となった「人手不足倒産」の動向調査の結果を発表した。2024年度上半期(4〜9月)の人手不足倒産は163件で、2年連続で同期間の過去最多を更新した。建設業は前年同期51件から4件増の55件、物流業は前年同期と同数の19件と高水準が続き、両業種合わせた割合は全体の45.4%と半数近くを占めた。また、全体の約8割にあたる134件が従業員数10人未満の小規模事業者だった。
人手不足はコロナ禍以降、さらに深刻な社会問題として表面化し、企業経営に深刻な打撃を与えている。人手不足倒産は2023年度に313件と前年度比2.1倍に増加し、年度として過去最多を更新している。2024年度はこれを上回るペースで急増している。
特に「2024年問題」に直面する建設/物流業では、人手不足倒産が特に顕著になっている。人手不足を感じている企業の割合は全体の51.5%だが、両業種では約7割に達し、いまだ減少傾向も見られない。2020年度前半は新型コロナの感染拡大によって一時的に緩和されたものの、以降は一転して経済の回復とともに上昇傾向にある。こうした状況に加え、2024年4月の時間外労働の上限規制適用により倒産に追い込まれたケースが続出する結果となった。
一方で、人材の確保や定着にとって重要な要素である賃上げに向け、原資の確保に欠かせない価格転嫁の状況を見ると、両業種では徐々に上昇している。物流業は2022年12月当時、全体と20ポイント近く差が開いていたが、差は縮まりつつある。帝国データバンクによれば、今後は価格転嫁状況の改善による賃上げや、労働環境の改善によって人材の確保につなげられるかが、人手不足の解消を左右すると指摘する。
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