テラ・ラボは、国内最大級のドローン展示会「Japan Drone 2026」で、滑走路不要で長距離飛行が可能な大型VTOLドローン「Terra Dolphin VTOL」などを披露した。航続距離1000キロを誇り、垂直に離着陸するVTOLのため、固定翼機の課題だった滑走路が不要となり、被災地へ即出動できる。
テラ・ラボは、国内最大級のドローン展示会「Japan Drone 2026」(会期:2026年6月3〜5日、幕張メッセ)に出展し、固定翼VTOL無人航空機「Terra Dolphin VTOL(テラドルフィンVTOL)」と、高高度長時間運用のコンセプトモデル「Terra Dolphin MALE」の大型ドローン2機を展示した。
Terra Dolphinシリーズは、イルカの“人を救う”という言い伝えから着想を得て命名した「固定翼機」のラインアップだ。現在までに2機種を開発しており、その1つが災害対応やインフラ管理を目的に開発されたTerra Dolphin VTOLだ。
機体の重さに対して翼長が4メートルと面積が広く、翼面荷重が小さいために揚力を確保しやすく、時速70〜150キロの低速域でも安定して長距離を飛べる。機体には複合材成形技術を用い、軽量かつ高強度を実現。洋上の長時間飛行にも耐えうる高い剛性を備え、最大10時間以上の航続時間と、航続距離1000キロという他でも類を見ないスペックを誇る。
固定翼機はこれまで、長距離飛行に優れる反面、離発着に滑走路が必要な点が、災害対応などで運用上の課題となっていた。そこでテラ・ラボは、長距離飛行の特性を生かしつつ、滑走路不要で垂直に離発着するVTOL機の開発に着手。VTOLタイプは、都市部や被災地などの限られたスペースからでも即座に飛び立ち、災害発生後の広域災害調査や広範囲の洋上監視といった従来の無人航空機では困難だった任務を遂行できる。
2025年9月には、日本で特定飛行(長距離目視外150メートル以上の飛行など)の要件となっている100時間の飛行実績を国外の飛行試験で満たし、耐久性と信頼性、技術成熟度レベルでもその性能を証明した。以降、実験機をもとに構造や部品などをバージョンアップし、福島県南相馬市に設置した拠点「テララボ福島」を中心に量産化に着手しているという。
ソフトウェアはテラ・ドルフィン共通の「MPPモデル(Multi Purpose Platforms、多用途多目的プラットフォーム)」の思想を受け継ぎ、さまざまな観測装置の他、レシプロエンジンやジェットエンジン、水素燃料電池など推進装置も用途に応じて選択できる。
直近の2026年6月5日には、テラ・ラボはタイの国防技術研究局(DTI)と協定を締結。今後、Terra Dolphin VTOLを活用し、高度2000メートルまでの空域を利用できるラチャブリー県のポーターラーム飛行場で、防災や安全保障分野における長距離飛行性能、広域観測能力、運用体制の検証を進める。
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