NTT都市開発は、横浜市中区で「(仮称)横浜山下町プロジェクト」に着工した。清水建設の設計・施工で、オフィス、商業、横浜市の新たな教育センターが融合した複合ビルが誕生する。
横浜の歴史と未来が交差する関内の山下町エリアで、新たなランドマークの建設が始まった。NTT都市開発は2026年6月1日、神奈川県横浜市中区山下町で「(仮称)横浜山下町プロジェクト」の新築工事に着手した。設計・施工は清水建設が手掛け、竣工は2029年2月の予定だ。
計画では、単なる民間オフィスビルの建設に留まらず横浜市が主導する「新たな教育センター」を内包し、周辺の主要エリアを歩行者デッキで結ぶ、公共性の高い官民連携の複合開発となっている。
計画地は、JR「関内」駅から徒歩7分に位置し、歴史的建造物が集積する「大桟橋通り」、東洋の活気が息づく「横浜中華街」、西洋式庭園の「横浜公園」に隣接した多様なカルチャーが交わる結節点に当たる。
建物の構造はS造地上9階建て(高さ45メートル)、延べ床面積は約2万3100平方メートル。1階には商業店舗を配し、1階から5階には横浜市の新たな「教育センター」が入居する。教育センターは、民間活力を導入して再整備される施設で、子どもの新たな学びを創造する「教育デザインラボラトリー』」を基本理念に掲げる。「調査、研究、開発」を核とし、教員の人材育成や発表、発信、教育相談の4つの機能をワンストップで集約。最先端の教育手法を実践する横浜の次世代教育のスペースとして機能する。
5階から9階の主要上層部は、基準階面積約1980平方メートルを確保した広大な賃貸オフィス空間となり、多様な企業規模や先進的なワークスタイルに対応する設計とした。
周辺環境の整備では、歩行者デッキと接続。完成すれば、関内駅前から横浜スタジアム、横浜公園を通り、ビルの2階を経由して横浜中華街方面へと信号なしでアクセスできるようになる。道路によって分断されていた各エリアの回遊性を飛躍的に高め、周辺一体に新たな人の流れと賑(にぎ)わいの創出につながる。
建物内には、各階に配置した加速度センサーで、地震の揺れを即座に検知し、構造物の安全度を自動で1次判定する「建物安全度確認サポートシステム」を導入。震災直後の迅速な避難判断や事業再開を支援する。
さらに、電力の信頼性を高めるため、本線が寸断されても予備回線から受電できる高圧2回線の受電方式を採用。万一、完全な停電に陥った場合でも、館内の非常用発電機が作動し、最大72時間にわたってビル機能を維持する。また、近年の大型台風やゲリラ豪雨による都市型水害に備え、外部出入口には強固な防潮板も設置する。
省エネのアプローチでは、ビル内で使用する電力は「実質100%再生可能エネルギー」で賄う。入居する企業はオフィスを構えるだけで、自社のサプライチェーン排出量(Scope2)の削減を達成できる。
環境性能の評価では、建築物省エネ性能表示制度(BELS)で最高ランクの5つ星を取得している他、オフィス部分で「ZEB Oriented」の認証を取得予定だ。建築環境総合性能評価システム「CASBEE横浜」でも「Aランク」の自己評価を得ている。
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