清水建設は、地元大手建設業の國場組、大米建設と復元整備を進める首里城正殿について、工事現場のデジタルツインを公開した。
清水建設は2024年8月7日、地元大手建設業の國場組、大米建設と復元整備を進める首里城正殿ついて、工事現場の映像データを加工したデジタルツイン(VRデータ)を公開したと発表した。デジタル技術を活用して工事の状況を広く公開し、国が推進する「見せる復興」(復元過程の公開)に寄与する。
第1弾として、7月11日に360度カメラで撮影した施工記録データを、VRデータに加工し、首里城公園Webサイトの「首里城復興へのあゆみ」と、清水建設コーポレートサイトの「事業トピックス」にそれぞれアップした。今後は2〜3カ月ごとにデータを更新する予定だ。
首里城正殿の復元整備工事の現場は素屋根に覆われている。これまでは素屋根の一角に3層に分かれた見学エリアを整備し、ひのき柱や梁(はり)の建て方、屋根の瓦葺(ぶ)きなど、日々変化する工事の様子を見学できたが、今後は内装工事が主体になり、工事の状況が見られなくなる。
そのため、見せる復興の今後の在り方を検討していた国と、定期的に撮影している施工記録データの活用方法を検討していた清水建設の考えが一致し、首里城正殿復元整備工事の現場内をバーチャルツアーできるデジタルツインを制作することが決定した。
今回公開したデータは、正殿外周の作業通路上の計105カ所で、Matterport製の360度カメラにより撮影した画像をつなぎ合わせて、素屋根内の空間をバーチャルに再現した。「正殿を覆う素屋根の中にいるような感覚」(清水建設)で、作業通路をウォークスルーしながら、外装の仕上がり状況を確認できる。
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