清水建設とAGCは、市街地再開発事業の解体現場で排出された廃板ガラスを、ガラス製品の材料として再資源化した。バージン原料の使用量を235トン節減し、板ガラス生産プロセスにおけるCO2発生量を約100トン削減した。
清水建設は2024年8月2日、AGCの協力のもと、東京都千代田区の「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業解体工事」で、現場から排出された廃板ガラスをガラス製品の材料としてリサイクルしたと発表した。解体建物から取り出した外装ガラス約340トン分を、板ガラス製品/グラスウール/路盤材の原料として活用した。
清水建設によると、解体建物の廃板ガラスは再生利用のハードルが高く、ほとんどが現場での破砕後、最終処分場に埋め立てられているのが現状だという。
今回の取り組みでは、建物に使用されていた外装ガラスの約9割を板状のまま取り外してリサイクル工場へ搬出し、シール材などのガラス以外の素材を選別/除去後、細かく砕いてカレット状に加工。カレット化したガラス材は、AGCガラス製造工場での実窯試験による品質チェックを経て、板ガラス製造などに利用した。カレット材計約340トンのうち、196トンは板ガラス製造に、90トンはグラスウールに、55トンは路盤材の材料に使用した。
廃板ガラスの再資源化は、ガラス製造におけるバージン原料の使用量の低減に加え、製造時のエネルギー効率の向上による温室効果ガス削減にもつながる。バージン原料の使用量を235トン節減し、原料調達から製造までの板ガラス生産プロセスにおけるCO2発生量を約100トン削減した。
清水建設は今後も、多量の廃材を排出する超高層ビルの解体工事を中心に、廃板ガラスのマテリアルリサイクルを推進していく考えだ。
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