長谷工コーポレーションとDXYZは、マンションの暮らし情報活用プラットフォーム「LIM Cloud」と顔認証を連携し、「オール顔認証マンション」の実証実験を開始する。マンションの共用部に加え、専有部でも顔認証による入退室を可能にする。
長谷工コーポレーション(以下、長谷工)とDXYZは2023年12月6日、マンションの暮らし情報活用プラットフォーム「LIM Cloud(リム クラウド)」と、DXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」を連携し、「オール顔認証マンション」の実証実験を開始すると発表した。
長谷工は、認証設備や各種IoTセンサーで得られた居住者のライフログやマンションカルテに登録された建物/設備のメンテナンスデータなどを活用し、暮らしを最適化する概念を、属性情報を備えた3次元建築モデルを構築するBIMに対して、マンションの管理運用の情報として「LIM(Living Information Modeling)」と呼んでいる。
これまで賃貸マンション共用部を対象に、顔認証システムの導入や実証を行い、LIM Cloudでデータを収集/分析し、暮らしの最適化を図ってきた。
FreeiDは、鍵や財布、スマートフォンを持つことなく、1度の顔登録で「顔ダケで、世界がつながる」を目指した顔認証プラットフォーム。住宅領域では鍵が一切不要となる「オール顔認証マンション」を実現し、2023年11月末時点で36棟に導入されている。
今回、LIM Cloudに基づくマンションへの高い専門性とDXYZの顔認証の豊富な実績を掛け合わせ、新たな価値を創生すべくシステム連携を行うこととなった。
FreeiDとの連携により、各種センサーと連動し、取得情報をスマホから確認できる長谷工独自開発アプリ「まいりむアプリ」に、1回顔情報を登録するだけで、マンションの共用部や専有部で鍵が不要となり、顔認証での出入りが実現する。取得したデータは、暮らしデータの1つとしてLIM Cloudで分析し、さらなるサービス価値の向上を図る。
両社は、システム連携の第一弾として、2024年7月に竣工を予定している長谷工不動産の働くと住むのハイブリッド賃貸マンション「WORVE(ワーブ)那覇泉崎」で、オール顔認証マンションの実証実験を開始する。専有住戸玄関と建物内にあるオフィス玄関に顔認証設備を設置し、同一建物内の住まいと職場をシームレスに行き来することを可能にする。
顔認証により、大きな荷物などで手がふさがっていても鍵を探す必要がなく、紛失リスクも防ぎ、個人情報も高精度の顔認証エンジンでセキュリティ面も確保されている。入居者の顔情報と部屋番号を紐(ひも)付け、宅配ボックスも顔認証で開閉するため、荷物の取り違えもなくなる。
両社は今後、保育園での本人確認や店舗での決済など、マンション以外の施設でもシステム連携を検討していく。
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