タダノは「CSPI2026」で、新世代の70トンラフテレーンクレーンと、その作業を電動化する「バッテリー式 e-PACK」を展示した。幅800ミリ以下に収まる電動高所作業車や走行から荷役までを電動化したカーゴクレーンといったGX建設機械に加え、実機に近い操作を学べるVRシミュレーターも紹介した。
タダノは香川県高松市に本社を置く、建設用クレーンや車両搭載型クレーン、高所作業車、運搬機械などを製造/販売する建設機械メーカーだ。中期経営計画(2024〜2026年)では、「Reaching new heights〜新たなステージへ〜」をスローガンに掲げ、環境対応製品の拡充と新領域への挑戦を進めている。「第8回 国際 建設・測量展(CSPI2026)」(会期:2026年6月17〜20日、幕張メッセ)の展示ブースには、こうした取り組みを象徴する製品が並んだ。
ブースで最も目を引いたのは、70トンクラスのラフテレーンクレーン「CREVO700 G5(GR-700N)」と「バッテリー式 e-PACK」だ。
ラフテレーンクレーンは、走行装置とクレーン装置を一体化した自走式クレーンのことで、建設現場内を移動しながら揚重作業を行う。GR-700Nは、9.8〜44.0メートルまで伸長する6段ブームを備え、ブーム使用時の最大地上揚程は45.2メートルに達する。作業条件で使い分ける2種類のブーム伸縮モードに加え、独自開発したアウトリガの張り出し幅に応じて前方領域のつり上げ能力を引き出す、クレーン制御技術「Smart Chart」も採用している。
環境負荷の低減にも配慮し、EU圏で建機などの非道路移動機械を対象とする排ガス規制「Stage V」に適合するエンジンを搭載し、NOxや粒子状物質などの排出を抑えている。エンジン駆動時には、レバーやペダルの操作量に合わせてエンジン回転数を自動制御する「オートアクセル」機能を採用。また、クレーンを一定時間操作しない場合は、油圧ポンプを自動停止し、燃料消費を抑える「ポンプオートストップ」機能も備える。
GR-700Nの環境性能をクレーン作業の電動化で、さらに高めるのがバッテリー式のe-PACKだ。
e-PACKは、ラフテレーンクレーンのクレーン作業を電動化するために開発された動力ユニットだ。バッテリーの電力でモーターと油圧ポンプが駆動し、エンジンを始動させることなくクレーンを動かせる。クレーン作業中の車両からのCO2排出をゼロにするとともに、騒音や振動も低減する。ブースでは駆動デモンストレーションを行っていたが、近づいても作動音がほとんど気にならないほど静かだった。
搭載するバッテリーは交換可能で、フル充電時には平均的なクレーン作業を約5時間継続できる。エコモードとオートアクセルを併用すれば、最大で8時間稼働する。
また、三相200Vの外部電源から充電可能で、満充電までの時間は外部電源のブレーカー容量によって異なるが、充電しながら作業できる。バッテリー残量が少なくなった場合は、e-PACKを搭載したまま動力源をエンジンに切り替えて作業を続けられる。
e-PACKは、車両後方に搭載したままクレーン作業が可能で、現場内の移動にも対応する。車両後方に搭載したe-PACKの重さによって、クレーン前方の安定性が増す利点もある。ただし、現場内を移動する際は車両のエンジンを使用する必要がある。
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