安藤ハザマは、建設機器レンタル会社のカナモトと共同で、山岳トンネル工事に使用する仮設備の濁水処理プラント/吹付プラントの遠隔管理システムを開発した。クラウドを利用したデータの一元管理と、仮設備の自動化/遠隔管理により、プラント作業と管理を省人化、省力化する。
安藤ハザマは2024年4月12日、建設機器レンタル会社のカナモトと共同で、山岳トンネル工事に使用する仮設備の遠隔管理システム「DXシリーズ」の、濁水処理プラント遠隔管理システム「T-ds(ティーダス)」と吹付プラント遠隔管理システム「C-ds(シーダス)」を開発したと発表した。クラウドを利用したデータの一元管理と、仮設備の自動化/遠隔管理により、プラント作業と管理を省人化、省力化する。
安藤ハザマはICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高めるため、「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の開発を推進しており、今回の取り組みもその一環。T-dsとC-dsは現在、岩手県で施工中の一般国道107号大石地区道路災害復旧(トンネル築造)工事で試験運用中で、性能と効果を検証している。今後は導入現場を増やし、システムの高度化を図る。
T-dsは、工事で発生する濁水を清浄化して排水する役割を担う濁水処理プラントの遠隔管理システム。水質(pH、濁度)や薬品量(添加量・残量)を遠隔でリアルタイムに確認できる。濁水の性状に応じて薬品の添加量を自動調整し、調整不良による濁水流出のリスクを低減するとともに、不要な薬品使用を抑える。
水質異常や設備異常、薬品残量不足などのトラブル発生時に管理者にメールを発信する「アラート通知機能」や、日報や月報などの帳票類の自動作成機能により業務を効率化する。
C-dsは、トンネル工事に使用する吹付コンクリートを製造する吹付プラントの遠隔管理システム。材料の使用状況や配合設定などを遠隔でリアルタイムに確認できる。吹付コンクリートの練り混ぜ作業は、プラント作業に従事する作業員が携帯するタブレットで遠隔操作を行い、作業員はプラント運転室に拘束されずさまざまな業務を並行して行える。
また、材料温度測定器や自動スランプ推定装置のデータを経時記録し、グラフで表示することで、吹付コンクリートの品質を向上する物性の状態監視を可能とした。材料管理帳票や動荷重試験帳簿の帳票作成作業では、吹付プラントの計量データから必要データを自動で反映し、管理者の手間を軽減する。
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