現場効率化を支援、山岳トンネル施工管理システム「Hi-Res」を現場展開施工管理

安藤ハザマは、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の開発を推進、その一環として、現場の重機機械・プラントの稼働状況から、省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res」を菅機械工業と共同開発した。

» 2023年07月05日 08時00分 公開
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 安藤ハザマは、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の開発を推進している。その一環として、現場の重機機械・プラントの稼働状況を把握し作業工種を判別することで、省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res」を菅機械工業と共同開発した。

Hi-Resシステム全体図 Hi-Resシステム全体図 出典:安藤・間プレスリリース

 山岳トンネル工事では、日報などから昼夜の作業状況を分析し最適化を図ってきたが、より精度良く効率的な情報収集技術が求められていた。近年はカメラ映像で作業状況を解析するなどの新技術も導入されているが、教師データ作成の手間や、精度の面で課題が残されていた。

 Hi-Resは、菅機械工業が開発、提供している工種別風量自動制御システム「i-Res(NETIS QS-180047-A)」をさらに発展させたもので、「トンネル掘削の実績サイクルチャート自動生成」「作業工種に応じた最適な換気制御」「デマンド監視と使用電力量制御」などの機能を備える。掘削方法やズリ運搬方法の制約を受けない。また、収集データはクラウド上に集約され、現場事務所などの遠隔地から閲覧・操作が可能だ。

サイクルチャート画面 サイクルチャート画面 出典:安藤・間プレスリリース

 同システムは、おのおのの機能に応じ、場内の重機および仮設備の稼働情報を集約送信する「工種判定ユニット」と「無線ユニット」、収集した情報を元に換気設備の制御を行い、デジタルサイネージの役割も担う「操作ユニット」、デマンド監視ほか、電力量計測を行う「計測ユニット」で構成する。

操作ユニット画面 操作ユニット画面 出典:安藤・間プレスリリース
現場運用状況 現場運用状況 出典:安藤・間プレスリリース

 同社は既に複数の現場に展開し、電力の最大68%削減、平均61%削減を確認した。また、既存の日報などと比較し、より精度の高いサイクルチャートが得られることを確認し、各サイクルにおける余裕人員の配置見直しなどに役立てている。

 現在、工事におけるCO2発生量の演算や、Web進捗管理表、斜線工程表の自動生成など、さらなる機能拡充を進めている。

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