安藤ハザマ、山岳部のダム建設現場でローカル5Gと衛星通信連接の実証に成功 東大と連携5G

安藤ハザマは東京大学と共同で、ローカル5Gと低軌道衛星通信を連接し、通信環境が脆弱な山岳エリアでも遠隔地と円滑なコミュニケーションが可能なネットワークシステムを構築した。現場の安全管理や施工管理業務を効率化する。

» 2024年03月13日 15時00分 公開
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 安藤ハザマは2024年3月1日、東京大学大学院 工学系研究科と共同で、山岳エリアのダム建設現場で、ローカル5Gシステムと低軌道衛星回線の連接ネットワークの実証に成功したと発表した。遠隔臨場や工事関係者間の円滑なコミュニケーションを実現し、現場の安全管理と施工管理業務の効率化を図る。

ローカル5Gシステム・低軌道衛星通信を利用した4Kカメラのライブ配信映像 ローカル5Gシステム・低軌道衛星通信を利用した4Kカメラのライブ配信映像 出典:安藤ハザマプレスリリース

ローカル5Gと低軌道衛星通信を連接し、円滑な電波伝搬や通信の送受信を実現

 両者は2023年10月19日、山岳エリアのダム建設現場にローカル5Gシステムと低軌道衛星通信の連接環境を構築した。電波伝送や通信の送受信が可能なことを確認するため、測定器とローカル5G端末を用いて電波伝搬状況を確認するとともに、山岳エリアのダム建設現場におけるローカル5Gの電波伝搬ヒートマップを作成。また、ローカル5Gシステム内のローカル通信や低軌道衛星通信経由時のインターネット接続における通信帯域を測定した。

 実証の結果、遠隔地の現場事務所と映像、音声双方でコミュニケーションが問題なく取れることや、建設現場に設置した4Kカメラの映像をインターネットを通じて現場事務所で視認できることを確認した。

ダム建設現場に設置したローカル5G・低軌道衛星通信の連接システム ダム建設現場に設置したローカル5G/低軌道衛星通信の連接システム 出典:安藤ハザマプレスリリース

 なお、実証に使用されたローカル5Gシステムは東京大学 中尾研究室が研究開発したもの。幅515ミリ×高さ415ミリ×奥行200ミリの小型軽量型で、持ち運びできる。消費電力も約90Wと小さく、バッテリー駆動も可能だ。また、AC100Vとインターネットを直結するだけで、建設現場で短時間かつ容易に、ローカル5Gの情報通信インフラを整備できる。

 安藤ハザマは今後、さらなる課題解決に向けた検証や社会実装を進めていく。

同実証実験におけるネットワーク接続の構成イメージ 実証実験におけるネットワーク接続の構成イメージ 出典:安藤ハザマプレスリリース

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