安藤ハザマは、コンクリート構造物の品質向上と現場施工の効率化を目的に、コンクリート打継面処理の評価を誰でも瞬時に判断できる評価システムを開発した。タブレット端末で撮影した画像から打継面の良否を判定し、未処理部分を漏れなく抽出する。
安藤ハザマは2024年2月13日、コンクリート打継(うちつぎ)面処理評価システム「ミドリガメ」を開発したと発表した。タブレット端末で打継面を撮影すると、画像から処理が不十分な部分を数秒で漏れなく抽出し、誰でも瞬時に良否を判定できる。これにより、コンクリート構造物の品質向上と現場の業務効率化につながる。
ミドリガメでは、打継面処理後の打継面の骨材分布状態に着目している。タブレット端末で打継面画像を取得した後、フィルタサイズが異なる2種類の平滑化画像(骨材部をぼかした画像と、骨材部を強調した画像)を生成。2つの画像の差分から骨材部を定量的に抽出し、骨材部の面積割合をもとに処理の良否を判定する。
任意のメッシュ単位により、数秒で判定結果を表示するため、追加処理の要否を現場で確認でき、迅速な是正指示が行える。
打継面処理の判定は熟練技術者の経験に基づいた目視判定によって行われるケースが多く、簡易かつ定量的な確認は困難だとされていた。同システムは、事前に現場環境に適したパラメータ設定を行うことで、打継面の乾湿状態にかかわらず、誰でも定量的な判定が可能となる。なお、判定結果は自動的にタブレット端末に保存され、トレーサビリティーも確保できる。
安藤ハザマは今後、土木/建築問わず、さまざまな現場に幅広く「ミドリガメ」を導入するとともに機能拡充を進め、コンクリート構造物の品質向上と現場の業務省力化、効率化を図る。
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