大末建設は、九州大学や九州計測器との共同研究による成果をもとに、外装タイルの非破壊検査装置を開発し、2024年度中に現場適用を目指す。電磁波をタイル壁面に照射し、反射波を測定することで、タイル裏面の空隙の有無を判定できる。
大末建設は2024年3月25日、九州大学や九州計測器との共同研究による成果をもとに、外装タイルの非破壊検査装置を開発したと発表した。
新開発の装置は、電磁波(マイクロ波)をタイル壁面に照射し、反射波を測定することで、タイル裏面の空隙の有無を判定するものだ。50二丁掛タイル1枚ごとに測定する。
モーター制御でアンテナ部を動作させることで、XY方向に1ミリ間隔でスキャンして接着面積を算出する。タイル1枚当たりで、約30秒で測定が完了し、計測結果はリアルタイムで取得できる。
疑似浮きを模したPEシートを用いた試験体を用いて計測したところ、接着率は77.0%となった。目視での評価は75.0%で、両者の差は2.0%にとどまった。
大末建設は今後、屋外での測定や検証結果の分析を進め、精度や操作性の改善を図る。操作機構も最適化し、測定時間の短縮も目指す。
2024年度中に作業所で現場試行を開始する予定で、2026年度の実用化を目標に掲げる。
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