オリンパスの技術力を受け継ぐエビデントは、医療基準で進歩させてきた技術をインフラ構造物の非破壊検査に応用し、工業用ビデオスコープや蛍光X線分析計、超音波の各機能で、多様なニーズに応える非破壊検査機器を展開している。
光学/電子機器メーカー「オリンパス」の科学事業を継承する「エビデント(EVIDENT)」は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」(会期:2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト 東展示棟)の構成展「第11回 非破壊評価総合展」で、非破壊検査機器を3つのカテゴリーに分けて展示した。
カテゴリーの1つは、工業用ビデオスコープ。先端にビデオカメラを取り付けた柔軟性のある光学チューブを使い、狭くて奥行きがあり、直接目視することが難しい対象物を検査する機器だ。世界の医療用内視鏡市場をリードする、オリンパスならではの検査機器といえるだろう。
ブースに出品した工業用ビデオスコープは、「IPLEX NX」「IPLEX G Lite」「IPLEX GAir」の3種。
このうちIPLEX NXは、工業用ビデオスコープのフラグシップに位置付けられるモデル。高解像度CCD技術や高輝度レーザーダイオード光源、オリンパスが独自開発した画像処理プロセッサ(PulsarPic)と、独自のレンズを組み合わせ、高画質と明るさを実現した。3D表示機能を持ち、計測対象の全体像を一目で把握できる他、広視野計測やスケーラー計測など、計測機能も充実し、効率的に検査が進められる。
IPLEX G Liteは、可搬性に特化。重量はわずかに1.15キロだが、IP65の防塵(ぼうじん)や防滴を有し、1.2メートルの高さからの落下にも耐える検査場所を選ばない1台だ。検査画像をタブレット端末へ転送し、ZoomなどのWeb会議システムとの併用も可能で、遠隔での業務支援に役立てられる。
IPLEX GAirは、超長尺ビデオスコープが特徴の機種。パイプや機械設備内部など、最大30メートル離れた場所まで検査できる。
ブース担当者は、工業用ビデオスコープの使用シーンについて、「トンネルや地面空洞の調査、橋梁(きょうりょう)部のつなぎ目調査など、土木分野で実績がある。完全な非破壊検査ではないが、建築物に水漏れが見られたときに、ドリルで壁に少しだけ穴をあけてスコープを挿入し、外からは見えない内部の状態を確認するといった使い方も考えられる」と説明した。
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