「建築家コミュニティ」は、ミリ波で外観からは判別できない建物内部の損傷をスキャンし利活用の助言までを行うサービス「古民家再生のスキャンとプラン」を開発し、CAMPFIREにて限定3件の先行サービス提供のリターンを含めたクラウドファンディングを実施している。
CADソフト「Rhinoceros」の販売代理や建築設計者のコミュニティーを運営する「建築家コミュニティ」は、ミリ波で古民家をスキャンして外観からは判別できない建物内部の損傷を検査し、利活用の助言までを行うサービス「古民家再生のスキャンとプラン」を開発した。
2023年11月14日から2024年1月15日の期間で、CAMPFIREで限定3件を先行提供するリターンを含む、クラウドファンディングを募っている。プロジェクトはAll-in方式で、目標金額に満たなくとも計画を実行し、リターンを届ける。
古民家再生のスキャンとプランの価格は220万円(税込み)で、内容は建築家と技術者の現地調査、メンテナンスの助言、リノベーションの提案で、2024年1月から順次サービスを提供する予定だ。
サービスは、歴史ある木造建築物の資産の有効活用、最先端のミリ波センシング技術の導入、建築家の経験知と科学技術を融合したリノベーションの実現の3つの目的がある。
住宅業界で人手不足と資源高騰は深刻化しており、人手も資源も無駄遣いできない中、古民家の利活用が注目を集めている。伝統的な日本住宅は、自然素材の特性を生かして少しずつ修繕しながら長く住み続けられる。古民家の有効活用は、文化的な意味合いにとどまらず、社会を維持するための現実的な選択肢だ。
古民家の改修現場では想定外の損傷が発見され、思わぬ出費となることも多いため、ミリ波を活用した非破壊検査の技術で古民家の躯体を透視し、あらかじめリスクを把握した上で改修やメンテナンスを助言するサービスを開発するに至った。
ミリ波とは、波長が1〜10ミリ、30〜300GHz(ギガヘルツ)の周波数の電波。サービスでは、東京大学と慶應義塾大学の有志が創業したSAKIYAの協力で、彼らのミリ波を用いた非破壊検査技術(特願:2023-007666)により、古民家の躯体内部の隠れたリスクを洗い出す。
近年は、多くの外国人も古民家の購入を検討することが多い。事前の内見を気軽にできないケースも多く、サービスの広がりが古民家取引の透明性を高めると期待する。
また、古民家は現代人の生活スタイルに必ずしも適していないため、快適な利用には改修が必要だ。サービスでは、経験ある建築家がミリ波の現地調査からリノベーションに関する助言まで一貫して伴走する。クライアントの多種多様なニーズに沿うため、古民家のどの部位を残し何を付け加えるか、知識と経験を持つ専門家が多くの選択肢を検討してアドバイスするという。
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