商業施設やオフィスの設計・施工などを手掛ける船場は、BIMの新部門「BIM CONNECT本部」を設立した。BIMデータの全社一元管理による生産性向や、新規事業の創出に向け、BIMを基盤としたデジタルプラットフォームを構築する。
商業施設やオフィスの設計/施工などを手掛ける船場は2024年1月1日、BIMの活用促進を目的とした新部門「BIM CONNECT本部」を設立した。BIM CONNECT本部を中心として、今後、BIMによる業務標準化やワークフロー改革を図るとともに、BIMの属性情報のビジネスでの活用、BIMを基盤とした全社的なデジタルプラットフォームの構築などを推進する。
船場は経営戦略の柱の1つにBIMの活用を掲げており、2023年には140件以上のプロジェクトでBIMによる3Dビジュアライゼーションを用いるなど、積極的な利用を進めてきた。
今後さらに社内への浸透を図り、活用を強化するため、BIM CONNECT本部を設立した。デジタル化による業務改革を進める他、BIMを活用した新事業の創出も検討している。BIMと空間デザインのノウハウを融合したメタバースソリューションの提供、BIMの属性情報をビジネスに活用することなどを検討する。
同時に、人材育成も進める。船場独自の内装ディスプレイ向けBIM研修カリキュラムのもと、eラーニングコンテンツなどで従業員のBIMスキルを向上させる学習環境を整備する。さらに、属人的なデータ管理から脱却するため、共通データ環境(CDE)を導入し、全社的なBIMデータ/情報を一元管理する。各クライアント、業態別のBIMテンプレートの構築、情報の共有化により、組織全体でデータ管理を最適化する。将来はIT基幹システムと連携させ、BIMを会社基盤として活用することも検討していく。
船場は2019年、業務効率化や生産性向上を目的に、BIM推進室を設立した。2023年末で設計職の約7割がBIMの基本技術を習得。大型ショッピングセンター、オフィス/教育施設、医療施設など、さまざまな業種/業態でBIMによる設計を行ってきた。特に3Dビジュアライゼーションの活用は、各案件で関係者とのスピーディーな合意形成を可能にし、社内におけるクリエイティブ作業の時間増加にもつながっているという。
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