直近2〜3年の流れとしては、多彩なオープンデータが公開されるようになったことがあり、以前に比べるとVR空間の環境構築は手軽になっているという。国土交通省を例にすれば、「国土交通データプラットフォーム」と「PLATEAU(プラトー)」の2種類が公開されている。
国土交通データプラットフォームは、インフラの管理情報、ボーリングデータ、測量データなどを含む。このうち、ボーリングデータは、設計ソフトで地層データに用いられるし、測量データは点群データでの利用も可能だ。PLATEAUでも、既に約130カ所の都市データが公開されており、測量データを公開する自治体も増加している。
こうしたオープンデータをVR空間の作成ソフトに読み込めば、現実の都市空間を手軽にVR化できる。フォーラムエイトがリリースしているVRソフトは、公開されているデータが簡単な操作で読み込める。特に、PLATEAUデータは、屋根の形状や建物の外壁などのテクスチャーも再現しているので、VR空間のリアルさにつながる。
VR空間は、リアル空間では不可能な実験やシミュレーションが行える利点がある。その点でフォーラムエイトが紹介するのは、バーチャルプラットフォームシステムとしての利用法だ。VR空間と日常のビジネスシーンを連携させ、社内をVR=メタバース空間として構築しておけば、参加者はアバターを使用して、展示会やセミナー、研修などが行えだけでなく、バーチャルオフィスとしての運用も想定される。
また、業務支援や顧客管理、在庫管理などのERP機能を紐(ひも)づければ、働く場所や時間から自由になり、より質の高いコミュニケーションを実現しながら、効率的な仕事が実現するだろう。
フォーラムエイトでは、必要なシーンをタイムリーに編集できるエディタ機能も用意し、その時々でより使いやすいVR空間に変えられる。
VRは、もはや一部のシミュレーションだけに利用されるものではない。フォーラムエイトのブースは、建設業の働き方改革など、多様な分野でVRの可能性をアピールするものとなった。
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