熊谷組とインフォマティクスは、Microsoft HoloLensを用いたコンクリート打込み時の締固め作業を見える化する管理システムの実用化に取り組んでいる。
熊谷組は、インフォマティクスと共同で2023年8月30日、MR(Mixed Reality)技術を用いたコンクリート品質管理の向上の仕組みとして、コンクリートの締固め対象箇所の可視化と締固め位置や作業時間を記録するシステムを開発し、実証実験で実用化のめどがついたと明らかにした。
コンクリートの品質は、打込み時の締固め作業に大きく左右される。締固め不足や締固め忘れは、ジャンカや密度不足につながり、品質劣化の原因となる。現状は、締固め作業の管理は、現場監督者や現場作業員の経験に依存するところが大きく、品質に問題があった場合は、客観的な締固め作業の記録を残していないため、原因を特定することもできない。
そこで両社は、MR技術を用いてコンクリート締固め作業を可視化し、締固め作業者に締固め開始から終了までの判定を知らせ、データを保存するシステムを開発するに至った。 システムでは、締固め作業者は、ヘッドマウントディスプレイ(Microsoft HoloLens)を装着し、締固め作業を行う。デイスプレイ画面には、打込み箇所を区分けしたメッシュ(50×50センチ程度)が反映され、締固め作業を見える化し、打込み箇所全面で締固め忘れがなくなり、均質なコンクリートが仕上がる。
また、ホロレンズのヘッドトラッキング機能により、締固め開始前から作業中、締固め終了と作業工程ごとに色が変わることにより、締固め作業の終了を自動的に周知する。
作業中は、工事関係者もPC上でホロレンズと同じ画像をリアルタイムに確認。締固め作業の記録(位置や時間)をメッシュ毎に残すことにより、トレサビリティにも役立つ。
熊谷組では今後、打重ね時間の管理などの新たな機能を追加し、実工事で運用することで、より実用的なシステムとなるよう開発を進めていく。
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