東急建設は、大阪大学大学院 工学研究科 矢吹教授の研究グループとともに、BIMモデルと熱流体解析シミュレーター(CFD)の連携手法を確立させた。
東急建設は2023年07月13日、大阪大学大学院 工学研究科 教授 矢吹信喜氏の研究グループと、BIMモデルの標準フォーマット「IFC」と熱流体解析などを行う数値流体力学シミュレーター(CFD:Computational Fluid Dynamics)を連携させる手法を共同開発したと公表した。今後は、建物OS「Building OS」に組み込むことで機能拡充を図り、早期の社会実装を目指す。
今回開発したのは、BIMモデルの標準フォーマットのIFCに温熱環境に関わるパラメータを反映させるプロパティセットを新たに設計し、各種パラメータを含んだIFCファイルからCFDに必要な情報を抽出する仕組み。ISOで標準化されているBIMの国際規格IFCを活用することで、BIMソフトウェアに依存せずにCFDのシミュレーターと連携できるようになる。
連携の手順は、BIMソフトウェアを用い、CFD解析に必要な各種情報をBIMモデルに入力してIFCファイルで出力。IFCファイルから幾何情報抽出プログラムで、部屋の形状などの幾何形状を自動抽出する。専用ソフトウェアで、CFD解析用のメッシュモデルを作成し、プロパティ抽出プログラムでCFDに必要な境界条件を自動抽出して、メッシュモデルと境界条件を手動でCFDシミュレーターの「OpenFOMA」に設定するまでが一連の流れ。
今後、BIMモデルと熱流体解析シミュレーターの連携手法を、東急建設と大阪大学大学院工学研究科が2023年4月に開発した建物OS「Building OS」に組み込み、センサーが設置されていない場所の温湿度の推定をはじめ、30分後の温熱環境を予測して、あらかじめ空調を制御するなど、これまで困難だった室内環境制御の実現につなげていく。
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