インタビュー
» 2022年04月26日 06時27分 公開

「PLATEAU」でも採択、CFDの耐風設計など幅広い建築シミュレーションを可能にするアルテアの製品群数値解析技術で広がる建築手法(1/3 ページ)

ここ数年で、建築物の耐風設計に、その精度の高さが認められ、数値流体解析(CFD)のシミュレーションを採り入れるケースが増えてきている。従来の風洞試験に比べると、耐風設計に要する工数が削減され、設計全体の大幅な時間短縮が期待されている。CFDソフトウェアの1つとして国内外の著名建築物で用いられているのが、アルテアの数値流体解析ソリューション「ultraFluidX」だ。

[川本鉄馬,BUILT]

 建築分野での設計は、建設生産プロセス全体でみたときに比較的デジタル化が進んでいる工程といえるだろう。特にCADやモデリングソフト、PC自体のハードが進化し、クラウド環境も整備されつつあることで、より複雑な形状の検証や構造計算など、高度化や効率化が加速している。こうした設計を取り巻く環境変化に伴い、法令面でも新しい設計手法を推進する動きも出てきている。

 その一例が耐風設計の評価で、かつては建築物の模型を作り、流動現象を再現する風洞実験が必須だったが、近年は法令の緩和により、コンピュータによる流体解析シミュレーションを用いることが可能になった。これにより、モックアップ作成や細部の設計変更への対応など、空洞実験に要していた工数や時間が大幅に削減され、結果的に設計から合意形成までのリードタイム短縮につながる。

 その流体解析シミュレーションの1つで、大手ゼネコンの設計部門で活用が進んでいるのが、Altair Engineering(以下、アルテア)の「ultraFluidX(ウルトラ フルード エックス)」。

 アルテアは四半世紀以上前から、製造業を皮切りに多産業向けの高度解析ソフトウェアを開発し、今日に至るまでに他のソフトウェアも取り込みつつ事業領域を拡大してきた。本稿では、ultraFluidXも含む、アルテアの各種ソリューションのなかで建築・土木用途にフォーカスし、設計の現場がさらなるデジタル化によって、今後どのように変化するのかを紹介しよう。

ソルバー系のソフト開発会社を買収し、ソリューション高度化

 アルテアのソフトウェアやソリューションは、ブルジュ・ハリファをはじめとする海外の著名建築物やインフラ構造物だけでなく、国内でもゼネコン、設計会社、建材メーカーで採用されている。

 以前、アルテアは「HyperMesh(ハイパーメッシュ)」という解析ソフトを主力に扱っていた。しかし、その後は、表計算ソフトのように多様な計算を実行するソルバー系のソフト開発企業を買収し、高機能化を図るとともに事業を成長させてきた。そこで、流体解析ソリューションに触れる前に、まずはアルテアの建設分野を対象にした製品群をみてみたい。

提供:アルテアエンジニアリング

 アルテアの原点ともいえるHyperMeshは、今はHyperWorks(ハイパーワークス)に名称を改めている。HyperWorksは、アルテア製のみならず他社のソルバー用のモデルが作成できる機能性や強力なメッシュ作成能力が評価され、高度な建築設計に役立っている。

 現在では、建設/自動車/医療/エレクトロニクス/エネルギー/重機/海洋/鉄道などで、多種多様なソリューションをラインアップし、業務の効率化・最適化に貢献している。カバーする業種は広範に及ぶが、ここでは建築・土木(AEC)を対象にした主要な4製品について触れておく。

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