“富岳”による新型コロナ飛沫感染リスク評価が日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞CFD

鹿島建設は、理化学研究所と神戸大学の坪倉教授が代表者として参画しているプロジェクト『スパコン「富岳」による新型コロナ飛沫感染リスク評価のデジタルトランスフォーメーションと社会実装』が、内閣府主催の第5回日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞した。パンデミック初期から感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案してきた社会的意義などが高く評価され、受賞に至った。

» 2023年03月27日 11時00分 公開
[BUILT]

 鹿島建設は2023年2月16日、理化学研究所と神戸大学の坪倉誠教授が代表者として参画しているプロジェクト『スパコン「富岳」による新型コロナ飛沫感染リスク評価のデジタルトランスフォーメーションと社会実装』について、内閣府主催の第5回日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞したと発表した。

新型コロナを対象に感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案

 日本オープンイノベーション大賞は日本でのイノベーション創出加速を目的に、今後のロールモデルとなる先導性や独創性の高い取組を表彰する制度。今回は3者の他にも、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、ダイキン工業も受賞した。

 受賞したプロジェクトは、スーパーコンピュータの富岳とシミュレーションソフトのCUBEを用い、新型コロナウイルスを対象とした感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案した。鹿島建設は、建設会社として唯一参画し、室内環境シミュレーションの独自ノウハウ提供や計算モデルの作成などを担当した。

多目的ホールの座席を想定した飛沫・エアロゾル感染リスクのシミュレーション 多目的ホールの座席を想定した飛沫・エアロゾル感染リスクのシミュレーション※提供:理化学研究所/神戸大学、協力:豊橋技術科学大学/京都工芸繊維大学/鹿島建設 出典:鹿島建設プレスリリース
多目的ホールの座席を想定した飛沫・エアロゾル感染リスクのシミュレーション 約2000席を想定し、汚染された空気を赤色で示す。エアコンを稼働し、客席の下部から清浄な空気(青色)を送りこむ(左)、汚染された空気は天井からホール上部の排出口へ向かい、数分で大部分が清浄な空気に(右)※提供:神戸大学/鹿島建設、協力:理化学研究所/川崎市 出典:鹿島建設プレスリリース

 選考では、産学連携体制で飛沫やエアロゾル感染リスク評価をシミュレーションで見える化し、パンデミック初期から感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案してきた社会的意義、最先端科学の成果を実社会に組み入れ、目に見える成果を上げた事例として高く評価され、受賞に至った。

2023年2月15日に催された授賞式 2023年2月15日に催された授賞式 出典:鹿島建設プレスリリース

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