SB C&Sは、ANSYS(アンシス)の構造解析や流体解析など、建築・土木向けにも活用が見込める各種シミュレーションソフトウェアの取り扱いを開始した。
SB C&Sは2021年9月1日、ANSYS(アンシス)とValue Added Distributer契約を締結し、構造解析ソフトウェア「Ansys Mechanical」や流体解析ソフトウェア「Ansys CFD」など、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの取り扱いを開始した。
CAEは、ものづくりの研究や開発工程で、従来行われていた試作品による実験の代わりに、コンピュータ上の試作品を用いてシミュレーションして分析する技術。ANSYSは1970年の創業以来、建築・土木・航空・宇宙・自動車・エレクトロニクス・産業機器・エネルギー医療など、さまざまな業界でシミュレーションによる製品開発を支援してきた工学シミュレーションのリーディングカンパニーとして知られる。
ここ最近は、建築・土木分野でも、BIM/CIMをはじめ、AIやIoTなどの先端技術を用いて仮想空間に物理空間をリアルタイムで再現し、シミュレーションを行う「デジタルツイン」が広がりつつある。Ansysでは、物理解析におけるテクノロジーを提供することにより、設計段階での作業時間の大幅削減、大規模で複雑なCADモデルの解析、設備メーカーでの開発費用の抑制などが実現するとしている。既にダイキン工業に採用され、テクノロジー・イノベーションセンターでの空調機の「ベースモデル」設計開発に用いているという。
主なシミュレーションツールのラインアップは、線形解析から、陽解法を用いた衝突解析、トポロジー最適化などの高度な構造解析を行う「Ansys Mechanical」、圧縮性流体、乱流、混相流、燃焼といったハイエンドな物理現象を高精度に解析可能な熱流体解析ソフトウェアパッケージ「Ansys CFD」、クラウドソリューション「Ansys Cloud」、設計と解析を一体化させた設計者向けシミュレーションツール「Ansys Discovery」など。SB C&Sは、ライセンスの提供だけでなく、今後は保守サービスも予定している。
アンシス・ジャパン カントリーマネジャー 大谷修造氏は、「シミュレーション技術は製品設計や検証にとどまらず、幅広い用途に応用されており、よりきめ細かいサービスやビジネスモデルへのニーズが顕在化している。今回の協業は、SB C&Sの強力なITソリューション販売網と、日本市場の特性を踏まえたWebマーケティング展開で、ANSYSのシミュレーション技術を活用した国内におけるユーザーのビジネス成長にも貢献できる」とコメントを寄せている。
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