東急建設は、「概算ZEB・省エネシミュレーションツール」を一般公開した。シミュレーションツールは、約1分の簡単な情報入力だけで、削減効果やコストを自動算出するため、顧客が環境負荷の削減を検討するきっかけにつながる。
東急建設は2023年3月8日、施主がZEB(Net Zero Energy Building)に取り組むきっかけを提供する目的で、簡単な情報入力で環境負荷の削減効果と必要コストを算出できる「概算ZEB・省エネシミュレーションツール」の公開を開始した。
概算ZEB・省エネシミュレーションツールでは、簡易算定と詳細算定の2パターンによるシミュレーションが可能。簡易算定では、建物用途や建築面積、階数、延べ床面積といった「建物基本情報」を入力することで、一次エネルギー消費量、CO2排出量、イニシャルコスト、ランニングコストを概算できる。詳細算定では、「建物基本情報」に加え、外皮性能や空調、照明などの「建物仕様情報」の入力で、より精緻な概算データが算出される。
建物用途は6種類(事務所、ホテル、マンション、学校施設、病院、物販店舗)から選択でき、複合用途では最大3つまで選べる。シミュレーション結果は、「省エネ法基準ビル」「省エネビル」「ZEB Ready」の各パターンで表示し、施主の削減目標や予算に合わせて提案する。
通常、ZEBを検討する際には、設備の専門知識を持つ技術者が設計図から省エネ機器などを読み取って計算するため、1カ月程度の期間を要する。シミュレーションツールでは、誰でも1分程度の建物情報の入力のみでシミュレーション可能なため、建物を建てる際に、環境負荷削減を検討するきっかけを提供することにつながる。
東急建設は、長期経営計画で3つの提供価値の1つに位置付けている「脱炭素」の取り組みとして、ZEBの推進に注力。今後も脱炭素社会の早期実現に向け、ZEBの普及に向けた積極的な取り組みを進めていくとしている。
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