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» 2020年12月16日 06時00分 公開

隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける初のZEB建築、伊丹市新庁舎と仮設作業所でZEB Ready取得ZEB

隈研吾建築都市設計事務所が基本設計を担当し、大成建設が実施設計から施工までを一括で担う伊丹市の新庁舎新築工事で、国内初となる本設建物の庁舎と仮設作業所の両方でZEB Ready認証を取得した。延べ床面積2万平方メートルを超える大規模建築の庁舎としては、西日本初のZEB Ready認証を受けたケースにもなるという。

[BUILT]

 大成建設は2020年12月1日、兵庫県伊丹市発注の伊丹市新庁舎整備工事で、国内で初めて新庁舎と仮設作業所事務所の両方で、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)によるZEB Ready認証を取得し、5段階評価の最高ランクを獲得したことを明らかにした。

 伊丹市新庁舎は、基本設計、実施設計監修、工事監理を担当する隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける初めてのZEB建築でもあり、また、延べ床面積2万平方メートルを超える大規模庁舎としても、西日本で最初のZEB Ready認証を取得した庁舎だという。

本庁舎は省エネと創エネでトータル54%のエネルギー削減

 伊丹市の新庁舎は、「市民の安全・安心な暮らしを支え夢と魅力があふれる庁舎」を基本方針に据え、「環境に配慮した庁舎」を目指し、計画が進められてきた。

 その中で、隈研吾建築都市設計事務所は「既存庁舎を生かしながらの建て替え、まちづくりや景観に配慮した意匠、BCPや免震といった庁舎建て替えが直面するさまざまな課題をクリアしつつ2万平方メートルを超える大規模庁舎としてZEB Readyを達成する」ことを設計コンセプトとして掲げ、基本設計を担当。大成建設は基本設計に基づき、基本設計先行型設計・施工一括発注(DB)方式で受注し、実施設計から施工までを担っている。

伊丹市新庁舎 外観のイメージパース 出典:大成建設、伊丹市、隈研吾建築都市設計事務所

 新庁舎の特徴は、高断熱かつ高気密の建物とし、自然採光や自然換気が可能なプランニングとなっている。開口部には、Low-E複層ガラスを採り入れ、効果的な庇や外部フィンを導入することで空調負荷を減らし、高効率機器で潜熱(湿度)と顕熱(温度)を別々に処理する「潜熱顕熱分離空調方式」を採用。さらに、LED照明器具をベースにした照明は、人検知センサーを利用した高度な制御が可能となっている。こうした技術を用いることで、標準的な建築物と比べて1次エネルギー消費量を大幅に削減している。

 また、災害時に備えた自動運転も可能な蓄電池付きの太陽光発電設備を整備し、創エネルギーも行うことで、トータルで54%のエネルギー削減を実現した。環境省の「レジリエンス強化型ZEB実証事業」にも採択され、補助金が交付されることでコスト面での市民負担の軽減にもつながる。

 竣工後は、ビルエネルギー管理システム「BEMS」による設備管理に加え、遠隔監視システムを活用し専門家によるエネルギーサポートも行うことで、計画通りの確実な省エネルギー運用を行える体制を整えるという。

 一方で、新庁舎の環境配慮思想を踏襲し、建設工事でも仮設作業所事務所に対しては、断熱性能の向上に加え、高効率空調システム、LED照明、ヒートポンプ給湯機などの汎用的な省エネルギー技術を採り入れ、標準的な建築物と比べて、1次エネルギー消費量を54%カットし、建設時のCO2排出削減を図っている。

 こうした省エネと創エネの取り組みの結果、国内で初めて本設建物の新庁舎と併せて、工事用の仮設作業所事務所でもZEB Ready認証を取得するに至った。

作業所事務所の内観 出典:大成建設、伊丹市、隈研吾建築都市設計事務所

 伊丹市庁舎の概要は、計画地が兵庫県伊丹市千僧1丁目1番地で、建物の規模は地下1階・地上6階建て、延べ床面積は2万1943,67平方メートルを見込む。工期は、新庁舎整備工事の1期工事が2020年1月〜2022年11月、現庁舎の解体工事となる2期工事は2022年11月〜2024年5月。その後、外構工事の3期工事は、2024年5月〜2024年8月の予定。

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