国内初、中規模オフィスビル単体で設計段階にZEB認証を取得ZEB(1/2 ページ)

三菱電機は、国内で初めて、6000平方メートル以上の中規模オフィスビル単体で、BELSの5スターとZEBを設計段階で取得した。

» 2019年08月26日 08時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 三菱電機は2019年8月7日、建設中の「ZEB(net Zero Energy Building))関連技術実証棟」が、第三者認証機関からBELSの最高評価である5スターに加え、ZEB認証を取得したことを発表した。背景には、この建物の太陽光発電などによる創エネ量がエネルギー消費量を超え、エネルギー削減率約103%を実現したことがある。

国内初となる4階建てでZEB認証獲得

 ZEB関連技術実証棟の構造規模は、鉄骨造地上4階建て、建築面積約2000平方メートル、延床面積約6000平方メートル。投資額は40億円で、その内約16億円は実証試験関連機器投資となる。稼働開始は2020年9月を予定している。

ZEB関連技術実証棟のイメージ画像
エネルギー削減率約103%を実現したZEB関連技術実証棟

 6000平方メートル以上の中規模オフィスビル単体で、BELSの5スターとZEBを設計段階で取得するのは日本初だという。太陽光発電による創エネ込みで、1次エネルギー消費量指標(BEI)マイナス0.03という世界最高レベルの値を記録している。

情報技術総合研究所 監視メディアシステム技術部長の浮穴朋興氏

 情報技術総合研究所 監視メディアシステム技術部長の浮穴朋興氏は、2019年8月7日に東京都千代田区の三菱電機本社で開催された記者説明会で、「最大の特徴は、これまで国内では1〜3階建ての建物までしかZEBを取得できなかったが、この実証棟は昇降機3基を備える4階建てで認証を取得できたこと。太陽光パネルを全て建物上にしか設置できなかったため、創エネ量が制限されるという課題があった。また、給湯などの作業で多くのエネルギーを要する食堂を設けたことにも頭を抱えた。こういった厳しい環境下で、ZEBを達成したことは大きな意味があると考えている。施設の南北面にある大きな開口部は、利用者に解放感を提供することを狙っている。今後、WELL認証の取得を視野に入れ、快適性を確保していく」と語った。

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