Lib Workは、土を主原料とした一般住宅用3Dプリンタ住宅の新モデル「Lib Earth House model B」を熊本県山鹿市に完成させた。2026年1月から受注を開始する。今回の取り組みについて、生成AIによる設計と3Dプリンタによる施工を融合した完全自動住宅建設への第一歩と位置付けている。
Lib Workは2025年7月22日、熊本県山鹿市に、土を主原料とした一般住宅用3Dプリンタ住宅「Lib Earth House model B」が完成したと発表した。2025年8月から販売予約を開始し、2026年1月から受注を予定している。Lib Workでは今回の取り組みについて、生成AIによる設計と3Dプリンタによる施工を融合した完全自動住宅建設への第一歩と位置付けている。
従来モデル「model A」では一部セメントを使用していたが、「model B」はセメントを一切使用せず、天然由来の素材のみで構成された新開発の土壁を採用。従来比で強度は約5倍に向上し、製造工程でのCO2排出量も低減した。さらに壁内にセンサーを埋設し、温湿度をリアルタイムでモニタリングする「壁内結露監視システム」を導入。玄関ドアには顔認証システムを採用し、スマートフォンや専用モニターによる家電/設備を遠隔操作を可能にするなど、IoT技術を標準装備した。
また、太陽光発電とテスラの蓄電池「Powerwall」を組み合わせたオフグリッドシステムを搭載し、電力自給自足も可能とした。中庭を設けて自然光や風を効果的に取り入れ、自然と調和した居住環境を提供している。
3Dプリンタ住宅の開発パートナーとして、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、ogawaa design studio、京谷建築設計室 一級建築士事務所が協力。3DプリンタはWASP製の「Crane WASP」を使用した。
生成AI設計システムについては、米Maket Technologiesと連携。今後が本格的な開発フェーズに移行し、敷地条件や法規制などに応じて最適設計を自動生成できるAI設計システムの研究/開発を共同で進める。
Lib Workは今後、3Dプリンタ住宅国内戸建て事業について、2040年までに累計1万棟の着工を目標に掲げる。また、独自の3Dプリンタ住宅技術を全国の住宅会社やビルダー向けにフランチャイズ(FC)展開する構想を進め、全国規模での普及とスケール化を目指す考えを示した。
商業施設や宿泊施設、仮設住宅といった住宅分野への応用、さらにアジア地域を中心としたグローバル展開も視野に入れている。
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