FM-Integrationが網羅する範囲としては、施設情報を管理するBIMモデルを起点として、まずFM業務とFMのデータを連携。このうちFM業務は、修繕や保全、施設に関するBCPや省エネなどの分野を対象とする。さらに、FMのデータベースに蓄積されたデータを活用する形で、コストシミュレーションや劣化予測、評価などもカバーする。
FM-Integrationの管理構成は、基本台帳と追加台帳に大きく分かれている。基本台帳は、実際に建物が建っている敷地やサイト、フロアや部屋で階層が分割し、それぞれの基本台帳に追加台帳がつながっている。
こうした管理構成は、基本台帳/追加台帳も併せて、任意で階層の設定や台帳の追加ができる。柴田氏は、「複数の設備で電気設備を共有しているような場合でも、建物をまたいだ形で施設を検索して集計するようなことも可能」と話す。
講演では、FM-Integrationの起動画面も披露した。どの台帳がどの計画に連携しているかを画面上で示すことで、実際の運用イメージが得やすい解説となった。
BIM連携の画面。ある建物のモデル情報を表示すると、詳細なプロパティ情報も見ることができる。画面下部には、データベースリストがあり、クリックすると、BIMモデルのどこと連携しているのかといったデータベースとBIMモデルの関係性が分かる
長期修繕計画の画面。複数の建物を選択すると、合算した長期修繕計画をシミュレーション。ある年に修繕費が集中するような場合は、予算を分散させたり、優先度の高いものから工事を進めたりるなどのコストを考慮した計画立案に役立つ講演では、FM-Integration の活用事例として、国土交通省の「令和2年度 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」の連携事業を報告した。連携事業では「IFCおよびIoT活用における情報管理と生産・維持管理プロセスへの検証」というもので、FMシステムと松井建設、三建設備工業の3社の共同で、BIMと連携した維持管理ワークフローの確率と効果検証を行った。
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