本連載では、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) 専務理事 成田一郎氏が「JFMA調査研究部会のFM探訪記」と題し、JFMA傘下で、マネジメントや施設事例、BIM×FMなどの固有技術をテーマにした合計18の研究部会から成る「調査研究部会」での研究内容を順に紹介していく。第2回では、2003年に発足した「ユニバーサルデザイン研究部会」と2020年に活動を開始した「SDGsタスクフォース」にスポットライトを当てる。
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)では、ファシリティマネジメント(FM)に関する喫緊の課題に対して、プロジェクト的にタスクフォース※1を結成して調査研究を進めています。今回は、2021年8月に調査研究結果をまとめた報告書を発刊した「SDGsタスクフォース」について紹介するとともに、JFMA調査研究部会の1つである「ユニバーサルデザイン研究部会」を紹介します。
※タスクフォース:組織内で喫緊の問題解決や企画開発などを行うために一時的に構成されるチーム
JFMA内に設立された調査研究委員会のタスクフォース第1弾は、「健康経営タスクフォース」でした。健康経営タスクフォースは、2015年に期間限定で発足され、「社会に役立つFM」という方針を掲げました。このタスクフォースでは、2015年11月にシンポジウム「健康経営へのシフト−健康経営視点から再定義するワークプレイス」を開催し、2016年と2017年には「日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメントフォーラム、FMフォーラム)」でパネルディスカッションを開き、そして2017年8〜12月には毎月、全5回にわたり「健康経営シンポジウム 2017」を主催しました。
健康経営シンポジウム 2017の会場は、健康経営に配慮している家具メーカーなどの施設をお借りしていたため、毎回建物内の設備も楽しめるというものでした。そして2018年2月には、FMフォーラムで健康経営シンポジウム「健康経営とウェルビーイング」を開催。2019年2月には、書籍「健康経営とワークプレイス 〜働く人と経営を元気にするファシリティマネジメント」を発刊しました。
SDGs タスクフォースは、2019年のJFMA理事会で、「SDGs(エス・ディー・ジーズ、持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals )についても検討すべき」との話し合いに端を発し、2020年2月の「FMフォーラム 2020」で開かれたSDGs シンポジウム「SDGsで社会と企業経営はどのように変わるか」をキックオフに活動をスタートしました。SDGsで社会と企業経営はどのように変わるかでは、ファシリティデザインラボ 似内志朗氏がコーディネーターを担当し、パネリストとして、外務省 吉田綾氏、デロイト トーマツ コンサルティング 山田太雲氏、コクヨ 斉藤敦子氏が登壇しました。
そのころから新型コロナウイルス感染症の患者が増加し、一時活動が困難になりましたが、むしろその逆境を生かし、Webインタビューを企画して、日本のみならず海外の論客にも登壇をお願いし、「SDGs から考える FM の未来」をテーマに、2020年6〜10月に15人を超える方々にインタビューを行いました。その素晴らしい顔ぶれを「潮流」「都市・建築・FM」「世界」「企業」のカテゴリーに分類しましたので、ここで紹介しましょう。
各人のインタビュー内容は、2021年1月に発行した「JFMA ジャーナル 201号」に掲載するとともに、同年8月発行のSDGs報告書にも掲載しています。これらは一見の価値がありますので、ぜひご一読ください。
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