アフォーダンスライティングの演出プランは、導入する場所や目的、そこに集う人などによってコストや仕様が異なる。そのため、パナソニックではアフォーダンスライティングの演出を「光のコンテンツ」と見なし、設計・デザインを含めたトータルサービスを提供する。
アフォーダンスライティングのサービスでは、街のインフラや公共空間の計画段階からプラン作成がスタートする。その段階では、パナソニックのVR技術で計画を可視化。その後、計画支援、製品納入、演出の調整といった工程に進む。
特徴的なのは、いったん納入された演出プランの運用時には、より高い効果が発揮できるようにコンテンツのアップデートをサポートすることが最初から盛り込まれていることだ。そのため、導入後に新たな目標が設定されたとしても柔軟に対応。期間限定のイベントなど、特別な誘導や集客にも役立つ。
コンテンツ作成では、人の感覚に訴えることが目的なので、従来の照明とは異なるタイプのアウトプットが必要となる。そこで、演出プランの作成ではリサーチ、課題提起、アイデア出し、プロトタイプ作成、検証から成る「デザイン思考」のプロセスが採用されている。コンテンツ作成にデザイン思考が採り入れられているため、今までに無かった課題が生じても、適応した解決法を導き出しやすい。
アフォーダンスライティングの演出としては、「回遊」や「滞留」の他にもコンテンツを開発中だという。一例として会見で示した「誘導」は、人が光の差す方向に興味を持ち導かれる特性を生かし、任意の場所に誘導させるコンテンツ。
パナソニックでは、アフォーダンスライティングの手法としてスポットライトの他に間接照明の検証も行っている。両方を組み合わせることで、アフォーダンスライティングの演出バリエーションの幅を広げることも検討している。
須藤氏は、「世の中には魅力的な景観が溢(あふ)れている」としたうえで、パナソニックとして「たくさんの人が明かりで楽しめる、そんな豊かな暮らしができるようにこれからも推進していきたい」と抱負を述べた。
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