伊藤氏の訴求ポイントで2つ目の柔軟性では、PC、スマートフォン、タブレットなどあらゆるデバイスでのアクセスを想定して、AutoCADデスクトップ版(Windows、Mac)、AutoCAD Webアプリ、AutoCADモバイルアプリを展開。そのため、時間や場所の制限を受けず、柔軟に設計や製図が行える。
関係者間での図面共有などでニーズの高いクラウド活用は、AutoCADから直接またはPDFファイル形式で図面を公開するAutodesk Docs以外にも、Autodesk Driveや主要なクラウドストレージのGoogle Drive、OneDrive、Dropbox、Boxとも連携が図られている。
3つ目の信頼性とは、設計レビューのプロセス全体を通じてデータの整合性を保護する「TrustedDWGテクノロジー」に裏打ちされたファイル形式「DWG」の安定性と互換性のこと。AutoCAD用にAutodeskが開発したTrustedDWGテクノロジーは、全てのAutoCADのバージョンで作成したDWG/DXFファイルをRevitやCivil 3D、InfraWorks、3ds Maxなど他のAutodesk製品への読み込みも考慮されており、逆にBIM/CIMモデルから取り出したCAD情報を図面化することにも応じている。
「他の企業に図面データを渡す際に、文字化けしたり、図面のラインが崩れたりしては、大幅なロスが生まれ、情報が間違って伝わってしまい、企業の信用を貶めかねない。TrustedDWGテクノロジーに基づくDWGファイルは、他社のCADであっても100%の互換性があり、納品時にもしエラーがあれば警告して知らせるなど、取引き時のトラブルを未然に防げる」(伊藤氏)。
会見の最後には、米Autodesk クロスインダストリー ストラテジー プログラム部門 副社長 ミミ・ホアン氏が、「AutoCADの自動化と革新的な機能は、人々が働くあらゆる場所で、ユーザーの時間を節約し、精度を向上させ、コラボレーションを強化する」とビデオメッセージでコメントを寄せた。
AutoCADの価格は、シングルユーザーの1年間サブスクリプションがAutoCADは7万1500円、AutoCAD Plusは23万1000円(全て税込み)。なお、新規ユーザーには30日間の無償体験版も提供されている。
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