感染症を予防するという観点では、スマートフォンを除菌する必要性にも注目が集まっている。
1日のうちに何回も画面に触れるスマホには、便器の18倍もの菌が付着しているとの研究報告がある。このため、いくら手をきれいに洗っても、その後にスマホの画面に触れれば、手に再び菌が付着することになる。これでは手を洗う意味がなくなってしまう。しかし、WOSHならこの場合でも、感染症の蔓延(まんえん)防止に役立ちそうだ。
WOSHには、手洗い用ボールの横にスマートフォン用のスロットも用意されている。手洗いの前にスマートフォンを挿入すると、自動的にWOSH内部に取り込まれ、手を洗っている間に深紫外線による除菌が行われる。
WOSHに搭載された深紫外線LEDは、豊田合成から技術提供を受けたもので、水の殺菌にも使われる。新型コロナウイルスを含むウイルスや菌に対して不活化や除殺菌の効力があるという。
WOSHは、これまでに数多くの場所で導入実績を重ねている。既に2020年10月時点で、本格的な出荷開始前にかかわらず、約3500台の事前予約が確定したという。
既に運用を開始している業種や利用シーンは多岐にわたる。LUMINEやGINZA SIXなど複合商業施設やオフィスの他、病院・クリニック、市場などでも採用されている。設置後のメンテナンスは、IoTセンサーとAIで水質・フィルター・システムをモニタリングしているため、最初に水を入れて週1〜2回フィルターを交換するだけで完了。機器自体がインターネットに接続しているため、トラブルなどがあれば担当者にメールで通知するので、アルバイトでも運用管理が行える。
また、導入理由としては、水道に接続する必要がなく、移動も手軽にできるフットワークの良さに加え、どこにでも馴染むデザインによるとこも大きいようだ。その裏付けとして、WOSHは、2020年のグッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)を受賞している。
WOSHの本体サイズは707(幅)×1063(高さ)×596(奥行き)ミリで、重さは60キロ。製品価格は、オンライン含め応相談とのこと。
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