アズビルは2020年度第3四半期決算をこのほど発表した。2020年度第3四半期決算によれば、新型コロナウイルス感染症の影響で、ビルディングオートメーション事業をはじめとする各事業の受注や売上が前年同期と比べて減少したが、保有する株式の売却と国内の工場統合で、純利益は前年同期より増えた。
アズビルは2021年2月4日、2020年度第3四半期決算の説明会をオンラインで開催した。会場では、アズビル 取締役 執行役員 専務 横田隆幸氏が、2020年度第3四半期の経営成績や2020年度の連結業績計画、セグメント別の計画、今後の展開について説明した。
経営成績に関して、今期の受注高は全体として減少した。要因の1つは、新型コロナウイルス感染拡大の影響による市況低迷を受け、設備の保守サービスを展開するアドバンストオートメーション(AA)事業の受注が減少し、更新時期を迎える複数年契約のサービス案件が少ない端境期に当たったことだ。この他にも、BASを扱うビルディングオートメーション(BA)事業の受注も減り、住宅向けのメンテナンスサービスを販売するライフオートメーション(LA)事業はLPガスメーターなどの需要が下がり受注が低減したことも影響した。
売上高も全体的に前年同期比でダウンした。主因として、BA事業が、前年同期に大型の新築建築物向けの展開で好調だった反動により売上が下がり、AA事業も市況悪化の影響で売上が落ちたことを同社は挙げている。
海外売上高は、半導体関連の好調な需要を背景に、AA事業とLA事業が増収し、前年同期比で2.8%増加したが、BA事業は新型コロナウイルス感染症の拡大が作用し減収となった。具体的には、LA事業では前年度に受注水準が高かったライフサイエンスエンジニアリング(LSE)分野の収益拡大で増収になり、BA事業ではコロナ禍でアジア地域を中心に工事の遅延や建設市場の停滞が続き収益が下がった。
営業利益は、同社の経費抑制や事業収益力強化策の効果もあったが、前年同期比で低減した。一方、親会社株式に帰属する四半期の純利益は、保有株式の売却と、国内の工場統合による固定資産の売却益計上などで前年同期比より増えた。
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