鹿島建設、竹中工務店、竹中土木の3社は、4足歩行ロボット「Spot」に関する各種ノウハウの探究・蓄積と、建設現場で役立つ機能開発をともに進めることで合意し、現場での実用化を加速していく。
鹿島建設、竹中工務店、竹中土木は2020年12月7日、ソフトバンク、ソフトバンクロボティクスの協力を得て、Boston Dynamics製の4足歩行ロボット「Spot」の建築・土木分野での実用化に向けた共同研究を開始することに合意したと明らかにした。
Spotは、Boston Dynamicsが開発した自律歩行ロボットで、階段や傾斜地にも強く、障害物を自ら回避する機能を有するなど、日々状況が変化する建設現場での活用に適している。今後、現場の省人化に寄与する「多様な目的」に使える汎用性のある機能を搭載することで、Spotが建設業の協調領域の中で広く誰でも使える技術として、多くの工事現場での適用を目指す。
これまで2018年6月以降に3社は、各社個別に実証実験を行ってきた。しかし、建設現場という複雑かつ厳しい条件下でSpotを利用するためには、より多様な環境で歩行性能の検証を行い、改善していく必要があることが確認された。さらに、Spotの効果的な利用方法の探索と機能開発にも多くの試行錯誤が必要なことから、3社共同で取り組むことがSpotをいち早く実用化するための最善策だと判断したという。
具体的な検証内容は、建設現場でのSpotの確実な歩行を実現させることと、現実的な利用方法の模索。安定した歩行のためには、日々環境が変化する現場で、Spotの作動に必要な通信環境の構築が重要となる。各現場の条件に合わせて、いかに効率的に安定的な通信網を構築するかをテストしていく。
また、建設現場を管理する社員の業務負担を軽減すべく、Spotの歩行・巡回を生かしつつ業務支援につながる新機能を模索する。例えば遠方に居ながら、現地の確認や作業員とのコミュニケーションを図る機能をはじめ、自動巡回で現場進捗の記録や点検を行う機能、各所を測量・記録して施工した建造物が図面通りにできているかを確認する機能などの有効性を試す。
今後は、各社が保有する知見を共有しつつ、共同研究を通して効率的に検証を進めていくとともに、研究の輪も広げていくとしている。
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