JAGフィールドは、建設業界で3年以上働いている1056人を対象に、新型コロナウイルスの影響により建設業界で生じた変化をリサーチした。結果、工事の中止と工期の延期が増加するとともに、受注数の減少や人手不足が加速して、生産性向上のためにITツールの導入を望む企業が増えていることが明らかになった。
JAGフィールドは、建設業界で3年以上働いている1056人を対象に、新型コロナウイルスによる建設業界の変化についてインターネット調査を2020年7月10日に行い、同月29日に結果を発表した。
調査結果によれば、「あなたの会社では新型コロナウイルスによってどのような影響を受けたか」と、複数回答可能の条件で対象者に質問したところ、「工事の中止・工期の延期」と答えた人が全体の48%で最多。次いで「打ち合わせや会議の中止・延期」が38.7%で、「資材の納期遅延」が37.8%、「工事のキャンセル」が29.8%、「イベント・展示会の中止・延期」が19.9%、「人材の不足」が12.0%と続いた。
新型コロナウイルスの感染拡大により、政府から休業要請が出されたことで、やむを得ず工事の中止や工期の延期といった判断をしなければならない現場もあったことが窺(うかが)える。
さらに、「新型コロナウイルスの影響前と後で何か変わったことがあるか」と対象者に質問した結果、「県外の仕事と業者の調達ができない(40代/男性/宮崎県)」「材料供給が不安定。作業状況も3密対策が必要で進みが遅い(50代/男性/大阪府)」「テレワークやフレックス利用が増えた(50代/女性/群馬県)」「現場調査などテレワークでは不可能な業務が滞っている(50代/男性/神奈川県)」といった声が寄せられた。
「新型コロナウイルス感染症によりどのような支障をきたしているか」という質問で、最も多かったのは全体の50.8%が答えた「受注数の減少」で、続いて「従業員の減少」が12.0%、「現場管理者の不足」が11.3%、「予算の削減」が9.2%、「残業時間の増加」が4.9%となった。
複数回答可能の条件で、「今後力を入れていかないといけないことは何か」という質問をしたところ、最も多かったのは、全体の52.6%が答えた「業務の効率化」で、次点で「人手不足の解決」の38.3%、「デジタル化、ITインフラの整備」の28.3%、「時短勤務・テレワーク制度の整備」の25.9%、「社員教育」の19.4%、「福利厚生制度の見直し」の10.3%と続いた。
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