人を取り巻く環境は、「自然環境(natural environment)」と「人工環境(built environment)」だが、その人工環境の総体を、ファシリティやアセットと捉えて、これらをいかに、人にとって全体最適にマネジメントするかが重要である。要するに自分が関わる人工環境をどこまでマネジメントするのが適切か、判断すればよいのではないだろうか。
FMの教科書『公式ガイド ファシリティマネジメント』では、定義的に、ファシリティマネジメント(FM)とは、「企業・団体などが組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」としている。
FMを実践する上で大切なのは、「目標管理」をすること。FMでは、品質(クオリティー)、財務(コスト)、供給(デリバリー)の3つのバランスを取り、目標を決めて、「PDCA(Plan→Do→Check→Act)」を回し、スパイラルアップするようにマネジメントしなければならない。
そのFMの標準業務サイクルは、図3に示すように、「経営戦略」を受けて、「FM戦略・計画」(Plan)を立て、「プロジェクト管理/運営維持」(Do)を実行し、それを「評価」(Check)し、「改善」(Act)して、「FM戦略・計画」に反映したり、場合によっては、「経営戦略」に反映したりする。これらのサイクルを回す上で、全体を、「統括マネジメント」することが大切である。
かつて、ファシリティマネジメントを「施設管理」と訳す人がいて、大きく誤解を受けたことがあるが、マネジメントであり経営であることが理解いただけたであろうか。
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