千代田化工建設はNovityと提携し、AI予兆診断「TruPrognostics AI」とO&M基盤「plantOS」を統合した新ソリューションを発表した。履歴データが少なくても90%以上の精度で設備寿命を予測し、プラントの保守効率化を後押しする。
千代田化工建設は2026年5月21日、Novityと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。NovityのAI予兆診断「TruPrognostics AI」と、千代田化工建設のO&M(運転/保守)プラットフォーム「plantOS」を統合した新たなソリューションを日本や中東、北米で共同展開する。
今回発表された新ソリューションの最大の強みは、AIによる高精度な設備挙動の予測とO&M業務をシームレスに統合できる点にある。RUL(残存耐用年数)の予測や機器診断にとどまらず、保全や運転に関する具体的な提言をワンセットで提供し、設備稼働率の向上やダウンタイムの削減、保全コストの最適化につながる。
中核となるAI予兆診断の「TruPrognostics AI」は、物理モデルと機械学習を組み合わせた独自のハイブリッド手法を採用し、従来のデータ駆動型ツールが抱えていた「大量の過去データが必要」という弱点を克服した。過去の履歴データが少ない環境下でも、90%以上という極めて高い予測精度を確保できるという。
高度なAIを千代田化工建設のplantOSに組み込むことで、予測結果を保全計画や運用業務とダイレクト連携できる。現場は複数のシステムをまたぐことなく、一連の作業を単一のワークフローとして扱えるため、業務負荷は大幅に軽減する。
さらに、異常検知から予兆診断、運転の最適化を含むO&M業務全体をデジタル上で統合管理することで、長年の課題となっていた「熟練技能のデジタル化」や「データガバナンスの強化」にも直結する。
現在の産業設備分野では、慢性的な人材不足や技能継承の難しさが深刻な課題として重くのしかかっている。一方で、プラントの安定稼働に向けた設備管理の高度化ニーズは高まっている。
両社はこうした業界背景を踏まえ、AIとデータ活用による次世代のO&M支援に乗り出した。今後はLNG設備や製油所、化学プラント、発電所、さらには社会インフラ施設を中心に見据える。まずは概念実証(PoC)からスタートし、商用展開まで段階的な導入を進める計画だ。
千代田化工建設とセンシンロボティクスが業務提携 plantOSとロボット、AIを融合
ドローンで取得した画像から3D点群/3Dモデルを自動生成、AIアプリ開発プラットフォームの新機能
高砂熱学や千代田化工と共創開発したArentの「BIM×自動化」で実現する建設DX
空調設備の設計・施工ノウハウを環境アート制作に活用 高砂熱学がチームラボと提携
i-Con2.0実現にはAI活用が不可欠 3つのオートメーション化を加速させるAI【土木×AI第37回】
高速かつリアルタイムにAIで物体検出する「YOLO」、施工管理や安全確保など建設用途の先端事例【土木×AI第16回】
阪神・淡路大震災から30年に考える AIを活用した災害復旧のポテンシャル【土木×AI第30回】Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10