大成建設は、山岳トンネル工事において最適な発破パターンを自動設計するシステム「T-iBlast Designer」を開発した。岩盤データとAIを活用し、余掘りの抑制による施工効率化や省人化、環境負荷低減を図る。
大成建設は2026年6月5日、山岳トンネル工事において岩盤データとAIを活用し、岩盤条件に応じて最適な発破パターンを自動設計するシステム「T-iBlast Designer」を開発したと発表した。余掘りの抑制した効率的な施工を可能とし、掘削残土の削減や省人化、環境負荷低減を図る。
新システムは、フルオートコンピュータジャンボから取得される削孔データを活用して岩盤強度分布を算出/可視化するシステム「T-iBlast TUNNEL」を改良して開発した。
T-iBlast TUNNELで算出した切羽内の岩盤強度分布を基に、天端/中央/側壁部などの部位ごとに、孔数/削孔位置/装薬量を設定した基準発破パターンを自動で割り当てる。基準発破パターンの構成比に基づいて掘削体積当たりの装薬量を算出することで、岩盤条件に応じた効率的な発破設計を可能とし、技術の平準化と品質安定化を図る。
余掘りへの影響が大きい外周孔については、独自開発のAIを活用して余掘り厚さを推定し、目標値に近づくよう削孔先端位置を最適化する。技術者はシステム上で推定結果を確認しながら、発破計画の採否や調整方針を判断できる。
また、主要メーカーのフルオートコンピュータジャンボに対応し、既存施工フローへの組み込める。施工データを継続的に蓄積/学習することで、AIによる余掘り厚さ推定精度や最適化機能の向上も見込む。
大成建設は、国土交通省東北地方整備局発注の「国道13号新及位トンネル(仮称)」で、実施工との比較により新システムの効果を検証した。
現場データを用いた検証では、切羽当たり最大約17%の装薬量削減の可能性を確認。掘削残土量や覆工コンクリート量の削減によるコスト縮減と環境負荷低減が期待できる。
今後、大成建設は山岳トンネル工事への適用拡大を進めるとともに、関連技術と組み合わせ、削孔/装薬/発破/掘削断面形状測定/評価/次サイクル発破設計までを含めた一連の発破サイクル全体の最適化と効率化を進める。施工データの蓄積とAI活用による発破パターン設計の高度化を進め、多様な地盤条件に対応可能なシステム構築を目指す。
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