太陽工業は、JR九州が推進する駅待合所のユニット化プロジェクトに参画し、第1号を日南線の「内海」駅で完工させた。現場での高度な膜張り作業を工場でのパネル製作に置き換え、工期短縮と省力化を実現。人手不足やコスト増といった建設業界の課題解決に貢献する。
大型膜面構造物(テント構造物)の施工を手掛ける太陽工業は2026年5月15日、九州旅客鉄道(JR九州)が進める「ユニット化待合所」の開発に参画したと発表した。2026年2月には、宮崎県宮崎市に位置する日南線「内海」駅で、小型膜パネルを採用した第1号案件が完工している。
建設業界では深刻な労働力不足をはじめ、資材や人件費の高騰への対応が急務となっている。そのため、JR九州が開発した新たなユニット化待合所は、現場施工の省力化を目的としている。
その屋根部分に、太陽工業の小型膜パネルが採用された。これまで現場で行っていた「膜を張る」という高度な特殊作業を、太陽工業の自社工場内で膜を張ったパネルとしてあらかじめ製作する方式へと置き換えた。工場から出荷されたパネルを現地で取り付けるだけで済むため、専門の技術者に頼らないスピード施工と品質の安定が実現する。
現地施工の工期短縮は、限られた労働力で持続可能な建設環境を実現する切り札となる。また、部材点数を極力減らしているため、維持管理の面でも点検や修繕の省力化につながる。さらにJR九州では、将来はドローンによる遠隔点検も構想している。
内海駅のユニット化待合所に用いられた小型膜パネルは、太陽工業と東日本旅客鉄道(JR東日本)が開発した技術「PF LIGHTS」を応用している。両社は2020年に研究を開始し、2022年に「市ケ谷」駅、2023年に「上野」駅のホーム上家葺き替え工事で実績を積んできた。2024年にはJR東日本と共同で特許を取得し、2025年から新工法として提供を開始した。
PF LIGHTSで用いる膜材は不燃材認定を受けており、ガラス繊維をフッ素樹脂でコーティングしているため汚れにくく、高い耐久性(30年以上)を誇る。駅ホーム上家に合わせ反射光害を抑えたカラーとしている。金属屋根とも併用が可能で、建築基準法の荷重条件も満たし、2次鉄骨や設計が必要ない。新たに開発したアジャスター金具を利用して、既存の母屋へダイレクトに設置もできる。
また、建機を使用して作業する必要もなく、従来工法に比べ約30%作業効率が向上し、工期短縮によって約40%のコストダウンが見込める。
国内の駅ホーム上家の多くは竣工から数十年が経過しており、老朽化に伴うメンテナンスや葺き替えが課題となっている。太陽工業は短工期で実現するため、東日本旅客鉄道(JR東日本)と新工法のPF LIGHTSを共同開発した。両社は2020年に研究を開始し、2022年に「市ケ谷」駅、2023年に「上野」駅のホーム上家葺き替え工事で実績を積んできた。2024年にはJR東日本と共同で特許を取得し、2025年から提供を開始した。
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