ドローン技術の進展やAIとの連携により、建設分野でも、災害対応や現場監視、インフラ点検など、ドローンが活躍する場が劇的に広がった。日本発の産業用ドローン専門メーカーのプロドローンは、こうした物流、点検、長距離飛行の用途に使える機体をラインアップ。さらに、水中ドローンと連携して新しい付加価値を提供する“水空合体”ドローンの実用化に向けて、実証も進めている。
愛知県名古屋市の産業用ドローン専門メーカーProdrone(プロドローン)は、「Japan Drone 2026」(会期:2026年6月3〜5日、幕張メッセ)で、水空合体機を含む、ドローンのラインアップを出品した。水空合体機は、水中ドローンを運ぶ飛行ドローンが合体し、空中と水上、水中の調査をカバーする。
今回のブースで中央に展示したのは、水空合体ドローンだ。空を飛ぶ機体と水中ドローンが一体になっている。港湾内の建造物や洋上インフラの水中部分などを点検する際、対象物まで飛行して着水し、その後に水中ドローンを切り離して最大深度100メートルまで潜行して点検する。アタッチメントの交換で、水中での海底や岸壁などを測量するマルチビームソナー(水中測量)、ADCP(超音波、水流計測)に加え、上空から、または水面を移動しながらの撮影、計測、測量が実現する。
高低差のあるダムの水面でも短時間で水面に飛行して着水するため、作業時間を大幅に短縮し、人員削減にもつながる。河川の水中測量を対象とした検証では、従来のボート使用に比べ、約4分の1時間で作業を終えたという。
2025年から実証実験をスタートし、現在は開発途中だが、現場に投入されれば、水中にある建造物やインフラなどの点検手法が一新されると期待される。
水空合体ドローンは、水中調査のニーズに対し、プロドローン製機体の「重いものでも運べる」という特性を発想転換して誕生した。現時点では、どのような完成形になるかは未定だが、現段階では飛行用ドローンと水中用ドローンはワイヤで常時つながった状態となっている。
また、水中ドローンが水の中で動いているときは、飛行用ドローンは水上に浮かんでいる。飛行用ドローンと水中ドローンはワイヤでつながっているので、水中ドローンの通信が途絶しても、水上に浮かぶ飛行用ドローンで救出できるため、機体をロストすることがない。
現在、最も実用化が進んでいるモデルの1つが、消防署や地方自治体、インフラ企業向けに展開している点検/救助用ドローンだ。ブースには、消防署や地方自治体の防災対策課などで活躍している本体を赤く塗った“レスキューモデル”を展示した。
レスキューモデルには、機体下部にサーマルカメラ、ライト、スピーカーを搭載。災害時には、赤外線サーマルカメラを用いて、肉眼では確認が困難な暗闇の中でも、瓦礫(がれき)の下などに埋もれている要救助者の体温を検知して場所を特定できる仕組みだ。これまでに自衛隊や山梨県と協力し、山火事で火元を特定した実績もあるという。
スピーカーは、住民への避難喚起の放送などに使う。一般的なドローンは災害現場の状況把握が主となるモデルが多いが、レスキューモデルは情報伝達の面でも威力を発揮する。
同一の機体構成でボディーカラーを黒色に塗り替えたモデルは、建築会社や建設コンサルタントの点検用途で活用されている。サーマルカメラは、熱を検知して漏電箇所の発見に役立つ。
救助/点検用ドローンモデルは、2〜3年前から販売しており、年間で約100台が市場に供給されている。
ブースには、物流分野用に開発したドローンも展示した。20キロのペイロード性能を備え、既に物流の現場で稼働している。物流用ドローンは、人手不足が深刻化する運送業界で、“ラストワンマイル”の課題を解決する有力な手段として注目されている。
深度100mまで潜れ前後左右の水平移動を可能にした有線水中ドローン
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全方向360度、自在に動き回る水中ドローン「FIFISH(ファイフィッシュ)V6」
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