Autodeskが設計〜製造〜施工〜維持管理で“つながるBIM”の先に見据えるのが、最終的な成果(Outcome)を基軸に考える「Outcome-based BIM(アウトカムベースBIM)」だ。Autodeskがこれまで培ってきた膨大な設計データをAutodesk AIに学習させ、工期やコスト、環境性能といった建築時から竣工後の成果を最適化しながら設計する新たなAIワークフローだ。
過去の実績や建築プロセスのデータから、現在設計している建築時の作業工程や想定コスト、環境への影響などを自動で予測できるため、プロジェクトの初期段階からさまざまな効果を明確に把握できる。「事前に共有しておけば、仕様変更や関係者間の意見の食い違いなどを極限まで減らせる。さらに、施主側の満足度向上や建築業界側からの提案力強化にもつながる」(羽山氏)。
オーストラリアの或る建築設計事務所では、70階建てビルの計画段階で、従来は複数案の検討や環境アセスメント(環境影響評価)を含め最短でも約2日以上を要していたが、Outcome-based BIMを用いることで2時間で完了したという。Revitなどでモデリングした建物データを取り込み、事前の精密なシミュレーションが可能になったことで、クライアントの満足度や競争力の向上にもつながった。羽山氏は「今までは、計画段階で大まかな外観形状を決めた後、詳細設計に移る工程でデータのインポートやエクスポートを繰り返しており、最新データが分からなくなってしまいがちだった。今後は計画段階でOutcome-based BIMを使い、そのデータをシームレスにRevitのBIMモデルに受け渡すフローも可能になる」と別のメリットも強調した。
2026年3月には、日本市場向けにもFormaに統合するアナウンスが正式発表された。Formaの新機能としては、施工現場向けに「Forma Build Essentials」を提供。写真や位置情報とともに指摘事項を記録し、Webまたはモバイルアプリ上でデータを共有できる。
さらに、RevitやAutoCAD、Civil 3DなどのユーザーもFormaに接続できるサービス「Forma Data Management Essentials」もリリース。企画・設計・施工・運用の各工程で、常に最新の共通情報に基づいて業務を進められるようになった。
今後は、建築プロジェクトの機密性の高いデータを安全に扱えるように、日本専用のデータセンター設置も計画している。
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