米Autodeskは、建設プロジェクトの全フェーズをつなぐ「Autodesk Construction Cloud」を、設計・施工の横断クラウド「Autodesk Forma」へ統合した。ブランドの一本化により、企画・設計・施工・運用までが分断されない「真のデータ連携」を目指す。
米Autodeskは2026年3月25日、これまで設計・施工のBIM連携を担う共通データ環境「Autodesk Construction Cloud(ACC)」をAECO(建築、エンジニアリング、建設、運用)業界向け統合型クラウド「Autodesk Forma」へ統合すると発表した。
Autodeskは、製造業界向けの「Fusion」、メディア&エンターテインメント業界向けの「Flow」と並び、建設業界向けの「Forma」を3大柱として位置付けている。今回のACC統合は、建築・エンジニアリング・建設・運用(AECO)業界に特化したクラウドとして、AIネイティブなプラットフォームへの進化も表明した形だ。
背景には、建設業界が長年抱えてきた「プロセス間の断絶」という課題があった。従来、企画・設計フェーズで生成されたデータが施工現場へ引き継がれる際、情報の欠落や手戻りが発生することは珍しくない。
Autodesk Formaは、AIを活用した概念設計から環境解析、さらにはRevitとの高度な連携機能を有し、さらにACCの持つ強力な施工管理機能が加わることで、建設プロジェクトの全ライフサイクルを一気通貫で管理する体制が整う。
Autodesk Formaは、Autodesk Platform Servicesと共通のデータ基盤を基に構築された業界クラウド上で、設計と施工のワークフローを統合 出典:Autodeskプレスリリースまた、プロジェクト全体の継続性が強化されることで、時間、人材、資材の効率的な活用が促進され、サステナブルかつ大規模なプロジェクト遂行を支える基盤が構築できる。その結果、施工チームは、プロジェクトが実行フェーズに進んでも、最新の設計意図やモデル情報、環境解析データなどを常に把握できるようになる。その上、バージョン管理の混乱を回避し、意思決定のスピードを飛躍的に高めることも期待される。
Formaの新機能として2026年3月26日から提供を開始した「Forma Build Essentials」は、施工現場で必要とされる主要なツールを集約。写真や位置情報とともに指摘事項を記録し、最新のファイルやモデルの確認、図面へのマークアップ、日報の記録をWebまたはFormaモバイルアプリ上で可能にする。
同時リリースの「Forma Data Management Essentials」は、Formaのクラウドコラボレーションへのアクセスを拡張し、CADやBIM/CIMのデスクトップユーザーと、そのプロジェクトデータをより広範な接続されたワークフローのエコシステムへと取り込む。デスクトップワークフローをクラウド接続されたプロジェクトデータと連携させることで、企画・設計・施工・運用の各工程で、常に最新の共通情報に基づいて業務を進められる。対象ユーザーは、AutoCAD Plus、Revit、Civil 3Dの単体サブスクリプションユーザー、Product Design & Manufacturing Collectionの利用者。
また、入札機能として、FormaのPreconstruction機能に直接統合した「Bidding」(相見積)ツールのベータ版も、米国データセンターリージョンを通じて提供。Takeoff(数量拾い)やEstimate(見積)と同一の環境上で、入札機能を利用可能にし、接続されたプロジェクトの文脈の中で複数の提案依頼(RFP)を管理し、価格設定や資格評価に関する調整を効率化するとともに、Preconstruction業務全体で、よりシームレスなコラボレーションが実現する。
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