清水建設、大和ハウス工業、大林組が“BIMの先に”を議論 共通データ環境はAI基盤になるか?BIMだけではない、AI基盤にもなるCDE(1/2 ページ)

BIMの共通データ環境として、建築業界で浸透が進む「CDE:Common Data Environment」。AIの驚異的な普及に伴い、今ではBIMに限らず、建設生産プロセスのあらゆるデータを集約し、AIを活用するための基盤としても期待されている。BIMで先進的な清水建設、大和ハウス工業、大林組の3社は、Autodesk Construction Cloud(ACC)をCDEとして整備し、、データ主導型建設プロセスの在り方やAIへの発展的活用、脱炭素への展開などに取り組んでいる。

» 2026年04月17日 15時46分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 オートデスクは、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで、建設業/製造業のトレンドや事例を紹介するイベント「Design & Make Summit Japan 2025」を2025年7月に開催した。

 本稿では、清水建設の三戸景資氏、大和ハウス工業の宮内尊彰氏、大林組の飯田邦博氏の3人によるパネルディスカッションを振り返りレポートとしてお伝えする。

 ディスカッションのモデレータは、オートデスクの稲岡俊浩氏が務め、労働力不足や資材高、サプライチェーンの不確実性、日本固有の請負構造などの現実的な課題を踏まえ、各社の「BIMの現状とBIMのこれから」「データ戦略とAI活用の準備」「サステナビリティへのチャレンジ」へとテーマを展開した。

BIMのこれからの地図、「作る、貯める、活用する」が常識へ

建設業界の実情を4つのカテゴリーで整理。写真左から、モデレータのオートデスク アカウント営業本部 副本部長 戦略担当 稲岡俊浩氏、大林組 DX本部 高度デジタルソリューションセンター 所長 飯田邦博氏、大和ハウス工業 東京本社 技術本部 技術戦略部 技術戦略第1室 室長 宮内尊彰氏、清水建設 生産技術本部 建設DX基盤部 部長 三戸景資氏 建設業界の実情を4つのカテゴリーで整理。写真左から、モデレータのオートデスク アカウント営業本部 副本部長 戦略担当 稲岡俊浩氏、大林組 DX本部 高度デジタルソリューションセンター 所長 飯田邦博氏、大和ハウス工業 東京本社 技術本部 技術戦略部 技術戦略第1室 室長 宮内尊彰氏、清水建設 生産技術本部 建設DX基盤部 部長 三戸景資氏 写真は全て筆者撮影

 BIMに関してパネリスト3者の発言に共通していたのは、BIMの導入自体がゴールではなく、その先にプロセス全体をデータで回すことへ舵(かじ)を切っている点だ。

大林組 DX本部 高度デジタルソリューションセンター 所長 飯田邦博氏 大林組 DX本部 高度デジタルソリューションセンター 所長 飯田邦博氏

 大林組の飯田氏は「社内でBIMの作り方はルール化が進んだ一方、活用のための標準化が追いついていない」と分析。だからこそデータをAIや外部連携に“食わせられる”状態に整える必要性を強調。発注者とのコミュニケーション環境も、BIMとCDE(共通データ環境)が前提となりつつあると指摘した。

 大和ハウス工業の宮内氏は、「BIMを(何でもできる)“魔法の杖”」と誤解していた初期を顧みて、今では技術の介在を前提に「作る→貯める→活用するというサイクルの実現へシフトした」と語る。各プロセス間でBIM連携の利用度を上げつつ、BIMデータのストックを増やし、そのデータの再活用に軸足を移している。

 清水建設の三戸氏は、「当社でもデータで生産プロセスを管理する次の段階に走り出した」と説明。BIMデータの受け渡しから脱し、CDE上で同一データを“共通”に扱う運用に向け、BIMとCDEとなるACC(Autodesk Construction Cloud)をセットで回す。「BIMプロジェクトをデータベース化して構造化することで、初めてAIで活用可能になる」と、基盤づくりの必然性を説いた。

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