老朽化した下水道の更新工事で活躍するコプロスの「ケコム工法」が、掘削総延長3万メートルを突破した。立坑内の人力作業をゼロにする完全機械化で、都市部での下水道工事の短納期化や騒音問題、人手不足といった諸問題を解決する。
山口県下関市のコプロスは、自社開発した下水道向け立坑構築工法「ケコム(KCMM)工法」の掘削総延長距離が3万メートル、総掘削土量が27万立方メートルを2025年末に突破したと明らかにした。
高度経済成長期に一斉に整備された下水管の老朽化が、現在、全国的な社会問題となっている。国土交通省の発表によれば、設置から30年以上経過した大型下水道管の全国調査で、速やかな対策が必要な緊急度1の区間が約72キロに上り、地中の空洞も6カ所発見された。埼玉県八潮市での道路陥没事故に見られるように、老朽管の更新は待ったなしの状況だ。さらに、近年の激甚化する豪雨災害への対策として、新設管の需要も急増している。
しかし、下水管の多くは道路の地下に敷設されており、工事には大規模な掘削が伴う。都市部の工事では、交通規制に伴う渋滞や周辺住民への振動/騒音への配慮から「短納期化」が求められる。一方で、建設業界の深刻な人手不足が、スムーズなインフラ更新の足かせとなっている。
こうした相反する課題を解決し、最も施工が難しいとされる直径3.5メートル以上の大口径分野で市場シェアを獲得しているのがケコム工法だ。前社長の宮崎衛氏が小口径管推進工事の際に、岩石や地下水に悩まされたことから、ケーシング工法をベースとして自走式小型立坑機を開発し、その技術を推進用立杭にも発展させて1982年に誕生したという。
施工手順は、専用機で立抗となる鋼管を地中に圧入し、内部の土砂を掘削して立坑を構築する。立坑構築完了まで全て専用の機械施工で行うため、立坑内での危険な人力作業が一切不要になる。現場の安全確保と大幅な工期短縮、そして人手不足の解消が同時に実現する。
水圧バランスを利用して掘削するため、薬液注入が不要となる。施工機械が一体化してコンパクトにまとまっているため、道路の占有面積や交通規制を最小限に抑えられる。無振動/低騒音の工法として、都市土木の現場でも真価を発揮する。
専用機に特殊刃先を併用することで、N値50以上の硬質土や礫(れき)率200ミリ以上の玉石/転石が混じる過酷な土壌でも施工できる。上空制限がある現場でも、特殊アタッチメントを使用すれば高さ4.0メートルからの作業が可能になる。
ケコム工法は、日本推進技術協会 黒瀬賞や国際非開削技術協会 NO-DIG賞など、技術的に高い評価を受け、数々の受賞歴がある。
施工を手掛けるコプロスは、2026年で創業80年を迎える老舗企業でありながら、山口県で初めて建設用3Dプリンタを導入するなどDX推進のトップランナーでもある。ドローンやICT建機などの最先端システムを積極的に活用し、経済産業省の「DXセレクション2025」準グランプリや国交省の「中国インフラDX」を受賞するなど、その取り組みは国からも高く評価されている。
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