BIM/CIMを進化させる3D地図と点群 PLATEAUとの比較や熱海土砂災害などの現場事例Archi Future 2024(1/4 ページ)

ゼンリンとローカスブルーは「Archi Future 2024」に登壇し、3D地図と点群をBIM/CIMによる建設DXをさらに進化させるツールと位置付け、設計提案から、熱海の土砂崩れなどの災害対応まで、現場実務での活用例を紹介した。

» 2025年10月15日 16時48分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 BIM/CIMモデルのベースとなる3D地図データと、点群処理ソリューション。建設DXの基盤となる2つの技術をテーマに、ゼンリンとローカスブルーは「Archi Future 2024」(会期:2024年10月24日、TFTホール)で、「建設DXへの第一歩〜BIM/CIMでの点群データと3Dデータ活用方法〜」と題して講演した。

 登壇したのは、ゼンリン東京営業所 所長の遠山啓氏と、ローカスブルー代表取締役社長の宮谷聡氏。ローカスブルーは2022年に設立されたスタートアップで、国内外のエンジニアによる開発体制を有している。主力サービスのScanXは、クラウド上で点群データを管理できるSaaSで、全国の中小建設事業者を中心に年間1万件を超える現場で利用されている。2021年度には「i-Construction大賞 国土交通大臣賞」を受賞し、2024年度には国交省のNETIS(新技術情報提供システム)で「推奨技術」にも選定された。

 講演は2部構成で、前半はゼンリンの遠山氏が3D地図の活用事例、後半は宮谷氏がScanXを通じた点群処理とその実務への展開をそれぞれ紹介した。

ゼンリンが提供する3D地図データ、都市/広域/DXFの汎用3モデル

ゼンリン 総合販売本部 東京第一支社 東京営業所 所長 遠山啓氏 ゼンリン 総合販売本部 東京第一支社 東京営業所 所長 遠山啓氏 写真は全て筆者撮影

 遠山氏は、ゼンリンが提供する多様な3D地図データサービスを紹介した。ゼンリンが汎用パッケージとして提供する3D地図は、「3D都市モデル」「広域3次元モデル」「DXFモデル」の3つのタイプ。

 クラウド型の「3D地図データオンライン提供サービス」を通じて提供し、Autodesk NavisworksやLumion、Archicadといった主要な設計のレンダリングソフトに対応している。利用者はソフト別のプリセットを選ぶだけで24時間365日、必要なタイミングで即時ダウンロードが可能だ。航空写真の貼り付けや建設予定地の既存建物の削除など、編集機能も備える。

ゼンリンの3D地図データ汎用パッケージ ゼンリンの3D地図データ汎用パッケージ

 料金プランは、従量課金型の「Dプラン」から、年額660万円(税込み)の使い放題「Sプラン」まで5種類(試用版除く)を用意している。

 汎用パッケージの他に、特注対応によるオーダーメイドデータの提供にも応じ、整備対象外エリアの3D都市モデルや点群データをもとにした高精細な3Dモデルの作成なども請け負う。

ゼンリンの3D地図データサービスのマトリックス ゼンリンの3D地図データサービスのマトリックス
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
あなたにおすすめの記事PR