応用技術は、建設工事などによる騒音をWebブラウザ上で予測/対策検証できる「騒音解析」機能を、環境シミュレーションツール「まちスペース」に追加した。
応用技術は2025年10月30日、国土交通省が推進する「PLATEAU」の3D都市モデルデータを活用した環境シミュレーション「まちスペース」に、建設工事などの騒音の予測と対策が検討できる「騒音解析」機能を新たに追加したと発表した。
新機能を利用することで、デベロッパーや建設会社などが、建設計画の初期段階で、建設機械や設備機器から発生する騒音の周辺地域への影響をWebブラウザ上で簡単に予測、可視化できる。
新機能は、「予測範囲」「騒音源(位置とレベル)」「予測高さ」の3つを設定することで、騒音を物理式に基づいて予測し、3D都市モデル上で可視化する。AI推定ではなく物理式に基づく計算により、信頼性の高い評価結果が得られるとしている。
代表的な建設機械の騒音レベルがプリセットとして用意されており、ユーザーは機種を選択するだけで解析が行える。独自の騒音源を用いた解析にも対応。騒音対策の検証機能として、遮音壁を設定し、騒音の広がりをどの程度抑えられるかも可視化できる。
建設会社は工事段階ごとの騒音影響を予測し、その結果を活用して関係者や周辺住民との合意形成を円滑化につなげられる。デベロッパーや設計会社は、計画段階から建物周辺への影響評価を行える他、一般消費者も自宅付近の工事に伴う騒音を事前に確認できる。
まちスペースは、応用技術が、都市モデル準備などの環境シミュレーションの利用のハードルを下げる目的で開発したソリューション。ユーザー側でのアプリケーションインストールやデータ処理を必要とせず、Webブラウザのみで操作を完結できる。
日影解析機能に続き、今回の騒音解析機能も期間限定で無償提供する。今後も多様な環境解析ニーズに対応した機能開発を行っていく。
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