インフロニア・ホールディングスが、テックタッチのデータ戦略AIエージェント「AI Central Voice」を採用した。従業員アンケートの自由記述を自動で構造化する仕組みを構築し、グループ全体で1万件を超える非定型データから、事業会社や職種、年代ごとの課題や要因を体系的に把握し、働きがい向上の施策を検討できる体制を整えた。
テックタッチは2026年2月5日、データ戦略AIエージェント「AI Central Voice」がインフロニア・ホールディングスに採用されたと発表した。
AI Central Voiceは、大量の非定型データを自動で分類、分析するプラットフォームだ。1つのコメントに含まれる複数の文脈的意図を要素ごとに分解し、企業固有の課題や目的に応じたカテゴリーを自動生成する。多段階の前処理によって誤分類やノイズを抑制し、安定した分析精度を確保している。さらにコメント内容とeNPS(職場への愛着や信頼度を示す指標)などの評価指標を組み合わせた要因分析が可能で、定量データと定性データを統合して分析できる。
インフロニア・ホールディングスは建築や土木、舗装、機械、インフラ運営を主要事業とする総合インフラサービス企業で、前田建設、前田道路、前田製作所、日本風力開発、三井住友建設の5社が主要事業会社だ。グループ会社間の連携強化と、従業員エンゲージメント(働きがい)の向上を重要な経営課題とし、従来も従業員アンケートを実施してきたが、eNPSのスコアとともに寄せられる自由記述は件数が多く、人手による横断的かつ網羅的な分析に限界があった。
特に、事業会社や職種、年代が異なる従業員の声を横断的かつ網羅的に読み解き、施策立案に結び付く示唆を抽出することは困難だった。そのため、現場の肌感覚に頼ることなく、データに基づいてグループ共通の課題や会社ごとの固有課題を把握し、働きがい向上に向けた取り組みをより実効性のあるものにするための仕組みを求めていた。
AI Central Voiceの導入で、短期間で大量の自由記述を高精度に構造化し、従業員の声を客観的かつ効率的に把握することが可能になった。
導入後の効果では、グループ共通課題の可視化に加え、施策の優先順位付けをデータで判断可能になった。また、根本要因の特定では、低評価の背景に、残業時間や休暇取得状況が関連している原因を定量と定性の組み合わせで抽出することもできる。
インフロニア・ホールディングスでは、「自由記述は社員の声を拾うことができても、課題の分析には時間がかかり、施策に反映することが難しかった。AI Central Voiceの導入で、分析にかかる時間を大幅に短縮し、より精度の高い改善策を迅速に打ち出せる体制が整った。課題を明確化し、改善活動を加速できると期待している」とコメントする。
今後は、アンケート分析に基づく人事施策のPDCAを高度化し、中期経営計画の重点施策の実行度や組織変化を継続的に把握する仕組みを構築する。追加サーベイと既存指標の相関分析も進め、eNPSに影響する要因を精緻化する方針だ。さらに、将来は人事関連データなどの情報との統合も視野に入れる。
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