東京大学が千葉県千葉市に所有していた「西千葉キャンパス」跡地で、野村不動産などデベロッパー6社による複合開発プロジェクトが始動した。約1300戸超の住宅や商業施設、介護施設、アカデミック/スポーツ施設などを整備し、開発により約2600人の人口増加を見込む。
野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業、総合地所、東方地所の6社は2025年10月15日、東京大学が千葉県千葉市に所有していた「西千葉キャンパス」跡地の利用事業が始動したと発表した。
開発地はJR総武線「西千葉」駅から徒歩3分に位置し、約7万5000平方メートルの広さを有する。プロジェクトは「Lifetime Academia〜一生ずっと、学べるまち。〜」を事業コンセプトに掲げ、共同住宅(計831戸)や戸建住宅(57戸)、学生マンション(312室)、サービス付き高齢者向け住宅(110室)、商業施設、介護施設、アカデミック/スポーツ施設などを整備。多様な世代やライフスタイルの住人を受け入れ、開発により約2600人の人口増を見込んでいる。
プロジェクトでは、周辺地域や駅、隣接する千葉大学キャンパスからの動線を引き込みながら、「アーキテクトコード」「ランドスケープコード」「ウェルネスコード」の3つのコードの反映による「ボーダレスにつながるまち」の実現を目指す。
アーキテクトコードでは、周辺地域の色彩や外構計画の要素を取り入れた5つのデザイン指針やカラーパレットを設定。各街区の建築デザインに統一感を持たせ、一体的な都市景観を形成する。
ランドスケープコードでは樹種や樹高、外構照明などにルールを設定。散歩道やたまり空間を設けることでウォーカブルな環境を形成する他、浸透性舗装やレインガーデンなどのグリーンインフラを採用し、環境負荷の低減にも取り組む。さらに、各街区の外構計画を一体的に整理し、敷地境界を意識させない空間構成を実現する。
ウェルネスコードは、健康とウェルビーイングを支援するための空間デザインと、プログラムを支えるデザインガイドで構成される。千葉大学予防医学センター健康都市・空間デザインラボとの共同研究に基づいて策定した。各街区の建物やランドスケープの検討に生かし、健康増進を図るまちづくりを推進する。
また、開発エリアの中心には、千葉大学、千葉市と連携して「(仮称)西千葉キャンパスパーク」を整備。大学敷地、公園敷地にまたがる広さ約1万2000平方メートルの広場空間で、エリアを南北に貫通する最大幅約12メートルの歩行者専用通路などを整備する。今後もキャンパスパークの維持運営に向けた協議を継続し、公民学連携の深化を図る。
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